孔席暖まらず、墨突黔まず(読み)こうせきあたたまらず、ぼくとつくろまず

故事成語を知る辞典 の解説

孔席暖まらず、墨突黔まず

自分の家にいる時間がほとんどないほど、忙しく働くことのたとえ。

[使用例] 無事なるものは午砲を聞きて昼飯を食い、忙しきものは孔席暖かならず、墨突けんせずとも云い[夏目漱石*人生|1896]

[由来] 一世紀の中国、前漢王朝の時代の歴史家、はんの文章の一節から。班固の理想は、生きているうちにたくさん仕事をして、死後名声を残すこと。昔の聖人とか哲人とか呼ばれる人たちだって働きづめで、いつも出かけていたから「孔席暖まらず、墨突黔まず(孔子が座る席は暖まることがなく、墨子の家の煙突は煙で黒くなることがなかった)」と述べています。墨子とは、紀元前五世紀ごろに活躍した、古代中国の思想家です。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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