学費免除(読み)がくひめんじょ

大学事典 「学費免除」の解説

学費免除
がくひめんじょ

学費免除には,入学金や授業料減免のほか,寮費など生活費の免除制度がある。実質的には給付奨学金とほぼ同じ役割を果たしていると言えよう。日本の大学では,スポーツや学業が優秀な学生に対する特待生制度として学費免除を取り入れているところも多い。しかし,国の補助施策は大学の設置者によって大きく異なっている。国立大学に対する授業料減免額は約300億円であるのに対して,公立大学には約90億円,私立大学に対しては私立学校共済・振興事業団を通じた約120億円となっている(2014年度予算)。私立大学に対する補助は国立大学に比べて少額であるだけでなく,2分の1補助のため,この補助を受けるには私立大学が2分の1を負担しなければならない。もう一つの問題として,私立大学の場合,大学や学部等によって授業料が異なるため,その減免額も異なるという点がある。この問題については,将来の方向性として授業料減免を給付型奨学金に統一していくことが今後の政策課題となっている。
著者: 小林雅之

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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