国指定史跡ガイド 「宇江城城跡」の解説
うえぐすくじょうあと【宇江城城跡】
沖縄県島尻郡久米島町宇江城にあるグスク(城)跡。沖縄本島から西へ約100kmにある久米島の、北部山系標高約310mの宇江城岳山頂に築かれている。久米島全体を見下ろす山岳頂部に築かれ、沖縄におけるグスク時代の政治・軍事の様相を知るうえで貴重とされ、2009年(平成21)に国の史跡に指定された。築城年代は記録がなく不明だが、伊敷索按司(いしきなわあじ)の長男である久米中城(くめなかぐす)く按司が築いたとされ、第二尚氏尚真王の1510年(1506年説もある)に琉球統一の過程で滅ぼされたといわれる。城跡は山頂の尾根沿いに、最高所の東端部に一の郭(くるわ)を、その西側の1段下がった所に二の郭を、さらに下がって三の郭を配し、その周辺に腰郭群、南面するグスク道(神道)の両脇に平場を配する。城壁の石積みは、一の郭の虎口部分周辺に珊瑚石灰岩の切り石が見られるほかは、周辺で採れる板状の輝石安山岩を使用。建物跡などが検出され、遺物は青磁の碗・皿・酒会壺など多くの中国陶磁器が出土している。久米島兼城(かねぐすく)港から車で約15分。