按司(読み)あんじ

百科事典マイペディア「按司」の解説

按司【あんじ】

琉球の官名の一つ。〈あじ〉〈あんず〉などともいう。古くは各地領域支配を行っていた豪族首長していたが,琉球王国の確立に伴い,首里(しゅり)に集住させられ,最高位の位階とされた。おもに王族から任じられ,地方行政区画である間切(まぎり)の領有が認められた。近世には按司地頭(じとう)ともよばれた。
→関連項目尚巴志

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「按司」の解説

按司
あじ

あんじ」ともいう。琉球の古代共同体の首長の呼称村落共同体の首長から数ヵ村落を支配する地域的豪族となり,グシク () を構えて対立,抗争を繰返しながら,そのあるものは「アジのなかのアジ () 」へと成長した。のち,統一政権としての琉球王国が確立すると,王府所在地の首里に集居させられ,家格の呼称となる。

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精選版 日本国語大辞典「按司」の解説

あん‐じ【按司】

〘名〙 (「あるじ(主)」の変化した語) 明治以前の琉球の官名の一つ。間切(まぎり)ごとに割拠した豪族の称。各地の豪族を首里城下に居住させるようになってからは王子に次ぐ家格となった。寨官(さいかん)。あじ。あんず。

あん‐ず【按司】

※読本・椿説弓張月(1807‐11)続「抑琉球は〈略〉その都を首里といふ。この余の郡県(あがた)を間切(まぎり)と唱(となへ)、その地の領主を按司(アンズ)といふ」

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世界大百科事典 第2版「按司」の解説

あんじ【按司】

〈あじ〉とも読む。沖縄の歴史では古く豪族,首長を意味するが,琉球王国確立後は最高位の位階となった。12世紀ころから15世紀までの按司は一定の領域に君臨する首長で,チャラ,ティダ(太陽)の別称でも呼ばれた。16世紀初期,尚真王のときに各地に割拠していた按司は王都首里に集居させられ,以後,社会的身分の最高位をあらわす位階としておもに王族から任命され,間切(まぎり)と称される行政区域の領有を保障された。近世になってもその性格は基本的に変わらなかったが,按司地頭とも称され総地頭とともに両総地頭の名で呼ばれる琉球王国の中枢的存在であった。

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世界大百科事典内の按司の言及

【のろ(祝女)】より

…ごく古い時代には,その村落の草分けの家の主人が根人(につちゆ),その姉妹が根神(にがみ)として祭祀を主宰していたと考えられる。8,9世紀以降にこのなかから複数の村落を支配する按司(あじ)が出現すると,その姉妹はノロと呼ばれ祭祀を統轄するようになる。さらに地方に割拠する按司を統一して15世紀末に尚王朝が確立すると,首里王府はそれら旧来の組織を利用しながら公的祭祀をつかさどる公儀ノロを任命し,辞令,勾玉,俸禄などを給して,王国の政治宗教的組織の一部に組み込んだ。…

【琉球】より

…このように,7,8世紀の中国・日本側文献には沖縄のこととおぼしき記述が見えるものの,なお検討の余地が残されている。
[按司とぐすく]
 考古学的に見ると7,8世紀の沖縄はまだ先史社会の段階にあり,王やその臣下がいるようなイメージとは大きくかけはなれている。また,大和朝廷に入貢するような主体が形成されていたとも思えない。…

※「按司」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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