守口漬(読み)もりぐちづけ

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日本の郷土料理がわかる辞典 「守口漬」の解説

もりぐちづけ【守口漬け】


愛知県名古屋市名産の漬物で、愛知や岐阜で栽培される直径3cmほどの細長い大根、守口大根を塩で下漬けしたあと、酒かすに漬けたもの。酒かすの床を何度か取り替えながら漬け込み、酒かすとみりんかすを配合した漬け床で仕上げ漬けするものも多い。漬け上がりまで2年以上かかる。◇江戸時代、河内国守口(現大阪府守口市)付近で作られたかす漬けが守口漬けとして有名になり、原料となった細長い大根を守口大根と呼ぶようになったといわれる。大根や漬物は名称とともに当地名物として定着した。

出典 講談社日本の郷土料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の守口漬の言及

【かす漬(粕漬∥糟漬)】より

…酒かす,または,みりんかすに野菜,魚介類その他を漬けこんだもの。ウリ類,ワサビ,守口ダイコン,クジラの軟骨を漬けたものは,それぞれ奈良漬,ワサビ漬,守口漬,松浦(まつら)漬と呼ばれる。古くから行われていたもので,《延喜式》にはウリ,トウガン,ナス,カブなどの名が見られる。…

【漬物】より

…長野県ではカブの1変種であるノザワナの塩漬やヤマゴボウのみそ漬が知られる。太平洋側では静岡県のワサビ漬,愛知県の守口漬,岐阜県には品(しな)漬がある。ワサビ漬はワサビの根や葉柄を刻んで酒かすと練り合わせたもので,酒かすもそのまま食べるところが一般のかす漬と異なっている。…

※「守口漬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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