朝日日本歴史人物事典 「守家」の解説
守家
鎌倉後期の備前(岡山県)畠田の刀工。同銘が2代あり,また真守,守重などの門人がいて畠田派を形成した。畠田は長船に隣接する地で,文永9(1272)年銘の2代守家の作品にも「備前国長船住守家造」と記した作品がある。これ以外の作品は「守家」ないし「守家造」と銘を切っている。現存作はほとんどが太刀で,作風は同時代の長船光忠と同様華やかな丁字乱れの刃文を焼くが,蛙子丁字と呼ばれる刃文が交じること,また鍛えが肌立つことなどが光忠と異なる。<参考文献>加島進「中世における長船刀工について」(『東京国立博物館紀要』6号)
(原田一敏)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報