改訂新版 世界大百科事典 「はたけ」の意味・わかりやすい解説
はたけ
学童期の子どもの顔面にみられる,比較的境界鮮明な,円形または楕円形の,やや白く見える不完全脱色素斑。医学的には顔面単純性粃糠(ひこう)疹pityriasis simplex facieiという。表面には細かな落屑(らくせつ)をつけ,粉をふいたように見える。自覚症状はない。冬季に多く,女児にくらべて男児にやや多くみられる。軽度のものも含めれば,まれではない。かつては,頭部浅在性白癬(はくせん)(しらくも)との合併が多くみられたために,白癬の一種と考えられ,伝染性のものとされたが,伝染性の皮膚病ではない。皮脂の分泌低下が基盤にあり,それになんらかの要因が加わって発症するものと考えられ,アトピー性皮膚炎の部分症状とする考えもある。放置しても思春期に至れば,皮脂の分泌が増加して自然に治癒するので,とくに治療をする必要はない。
執筆者:新村 真人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報