安河(読み)やすのかわ

精選版 日本国語大辞典 「安河」の意味・読み・例文・類語

やす‐の‐かわ‥かは【安河】

  1. [ 一 ] 日本神話で高天原にあるという川。また、天の川のことにもいう。
    1. [初出の実例]「七夕歌〈略〉夜洲能河波(ヤスノカハ) 中に隔てて 向かひたち」(出典万葉集(8C後)一八・四一二五)
  2. [ 二 ] ( 後に「やすのがわ」とも ) 滋賀県南部を流れ、琵琶湖に注ぐ野洲川のこと。
    1. [初出の実例]「吾妹子にまたも近江の安河(やすのかは)安寐も寝ずに恋ひわたるかも」(出典:万葉集(8C後)一二・三一五七)

安河の語誌

( [ 一 ]について ) 高天原にあった、この河原に神々が集まって事を議したことが「古事記‐上」や「古語拾遺」に見える。それが七夕伝説にとり入れられて、天の川(銀河)のことにも用いられるようになった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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