七夕伝説(読み)たなばたでんせつ

百科事典マイペディア 「七夕伝説」の意味・わかりやすい解説

七夕伝説【たなばたでんせつ】

七夕〉の伝説は,〈乞巧奠〉の習俗と共に中国より伝来した。中国では,織女西王母と関連づけるなど宇宙創世的な要素が認められる。日本では《懐風藻》から見られ,《万葉集》には巻10を中心に約130首を収める。そこではもっぱら牽牛の織女への恋の逢瀬題材とした。その後も,歴代勅撰集に詠まれるだけでなく,藤原為理(ためのり)〔?-1316〕に《七夕七十首》の詠があり,1330年には後醍醐天皇侍臣により内裏で〈七夕御会〉が開かれ,また1477年には後土御門天皇によって〈七夕歌合〉が行われてそれぞれの詠が残されているなど,秋の歌題として定着した。御伽草子にも《天稚彦物語》《あめわかみこ》の作があり,その影響は広範囲に及んでいる。

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