朝日日本歴史人物事典 「安達喜幸」の解説
安達喜幸
生年:文政10(1827)
明治期の開拓使で洋風建築を推進した建築技術者。江戸芝田町の大工棟梁の出で,明治4(1871)年工部省に入り,すぐ開拓使御用係となって,翌年春までに札幌に赴任,6年に竣工する開拓使本庁舎以下一連の洋風建築の建設に当たった。正規の判任官ではないが,その待遇からみて開拓使営繕課設計チームを主導する地位にあったと推定される。開拓使後半期の札幌農学校家畜房(1877),同演武場(1878),豊平館(1880)などが現存し,安達の代表作とされている。明治初期の洋風建築のなかでは堅実なデザインと建築技術の把握で高い水準を示している。
(越野武)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報