改訂新版 世界大百科事典 「宋会要輯稿」の意味・わかりやすい解説
宋会要輯稿 (そうかいようしゅうこう)
Sòng huì yào jí gǎo
中国,宋代の諸制度に関する詔勅,条例などを分類,集成した書物。清の徐松(1781-1848)の編。《宋会要》とも簡称する。宋代の会要は,1044年(慶暦4)の《慶暦国朝会要》150巻から,1236年(端平3)の《嘉定国朝会要》588巻まで,南北両宋の時代に応じて編纂され,10種類の多きに達する。これらは宮中の会要所で第一級の原資料を使って編纂,秘蔵され,特定の官員や史官しか閲覧できず,むろん刻本にされぬまま失われていった。ただ,明代の百科事典《永楽大典》中に数多く引用されており,清の嘉慶年間(1796-1820)《全唐文》作成で《永楽大典》を利用していた徐松が,仕事のついでにそれらを集輯して稿本を作った。これが徐松輯本の《宋会要輯稿》である。この本は繆荃孫(びゆうせんそん),劉承翰(りゆうしようかん)らの手を経て北京図書館に返し,1936年200冊の影印本として公刊された。全体は帝系,礼,職官,食貨,兵など17部門に大別される。輯稿のため内容の重複,文字の脱誤も多いが,生の記述に富み,宋代研究の根本資料である。
執筆者:梅原 郁
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報