ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「徐松」の意味・わかりやすい解説
徐松
じょしょう
Xu Song; Hsü Sung
[没]道光28(1848)
中国,清中期の学者。順天府大興県の人。字は星伯。嘉慶 10 (1805) 年の進士。湖南学政のとき罪に坐し,新疆のイリ (伊犂) に流刑となる。このとき実地踏査に基づき,西域研究に欠かせない名著『西域水道記』 (5巻) をはじめ,『漢書西域伝補注』 (2巻) ,『新疆賦 (西域賦) 』 (1巻) のいわゆる西域三種 (徐星伯三種) を著わす。なお松 筠が同 25年に撰した『新疆識略』 (12巻) は,松 筠が汪廷楷,祁韻士らに作らせた『西陲総統事略 (伊犂総統事略) 』を徐松が訂正したものである。道光1 (21) 年帰国し,その後,諸官歴任ののち陝西省楡林府の知府となったが,まもなく死去。著書には『唐両京城防考』『唐登科記考』などもある。
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