官邸外交(読み)かんていがいこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「官邸外交」の意味・わかりやすい解説

官邸外交
かんていがいこう

首相官邸外務省や他省庁とは別個に,あるいは同時に外交を展開すること。 1988年竹下内閣はオレンジ牛肉の自由化を決定したが,消極的な農水省と積極的な外務省の間に入り,対米交渉をまとめたのは小沢官房副長官 (当時) であった。 90年の日米構造協議では,官僚レベルで事態進展はないと判断したブッシュ米大統領は,3月初旬の首脳会談で海部首相に対し,問題処理のための強力なリーダーシップを求めた。構造調整のように外交問題が国内問題との関係を強めるにつれ,省庁間の対立に加え業界団体を背後に抱えた族議員の圧力活動もあり,官僚機構内では大胆な政策立案や決定が行なわれにくくなった。そこに官邸外交の重要さが増してきた理由がある。

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