精選版 日本国語大辞典 「宛行う」の意味・読み・例文・類語
あてが・うあてがふ【宛行・充行】
- 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙
- ① 割り当てて与える。分配する。また、相手の要求によらないで、適当に見積もって与える。
- ② 適当なものとしてさしあてる。うまくあてはめる。また、あれこれ考えあわせて、それと決める。
- [初出の実例]「物たくはへ利分して百年の用意して遁世の身とならんなと愚なる人はあてかふにや」(出典:米沢本沙石集(1283)一〇本)
- 「なにたるさいはいをも人にあてがはず」(出典:こんてむつすむん地(1610)一)
- ③ ある物を何かに、ぴったりと当ててくっつける。
- [初出の実例]「よひ比のてぎをあたまへあてがう程に」(出典:虎明本狂言・麻生(室町末‐近世初))
- 「眼鏡を外套の隠袋から取り出して、眼へ宛がはふとしてみた」(出典:あひゞき(1888)〈二葉亭四迷訳〉)