宜人(読み)よろしきひと

精選版 日本国語大辞典 「宜人」の意味・読み・例文・類語

よろしき【宜】 人(ひと)

  1. 身分地位が水準程度の人。中くらいの階級の人。ふつうの人。よろしきもの。
    1. [初出の実例]「よろしき人ならばこそ、もしやにいひ侍らめ、只今の一の人、太政大臣も此の君にあへば、音もせぬ君ぞや」(出典:落窪物語(10C後)二)
  2. 水準以上の地位や財産のある人。身分の高い人。裕福な人。よろしきもの。
    1. [初出の実例]「初(はしめ)はよろしき人なるが〈略〉八年此かたにおよそ千貫めをなくなして」(出典浮世草子・好色五人女(1686)五)
  3. 美しい女佳人。よろしめ。
    1. [初出の実例]「此辺にかうよろしき人の住むらんを今まで聞えぬ事はあらじを」(出典:読本・雨月物語(1776)蛇性の婬)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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