…資本主義社会において,労働者階級が労働条件や生活条件の改善を通じてその経済的・政治的・社会的地位の向上を目ざす運動の総称。 労働運動は,資本主義の発展に照応して変化しつつ発展する。資本主義の発展がそもそも国によって不均等であり,階級構成や権力構造も異なるので,各国における労働運動の発展も一様ではない。イギリスでは資本主義がいち早く成立し,農民層の分解が徹底して行われたので,労使の関係も早くから明確な対立関係という形をとった。…
…(3)こうして,昭和40年代から50年代にかけて民間産業の連合体,官公労働組合の国際自由労連,ITSへの加盟が相つぎ,これが国内の労働組合間の緊密化,国際活動のうえでの協議体の形成にも影響した。
[労働戦線統一問題]
こうした背景のもとで,1967年,宝樹文彦全逓委員長が発表した〈民間先行,共産党排除〉などを内容とする労働戦線統一に関する論文をきっかけに,労働戦線統一に関する動きが活発になり,72年には労働戦線統一民間単産連絡会議の開催にこぎつけたが,翌73年失敗に終わった。ところがこの年秋に勃発した第1次石油危機は,日本経済ひいては労働組合運動に大きなインパクトを与えた。…
※「宝樹文彦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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