労働組合主義(読み)ろうどうくみあいしゅぎ(その他表記)trade unionism

翻訳|trade unionism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「労働組合主義」の意味・わかりやすい解説

労働組合主義
ろうどうくみあいしゅぎ
trade unionism

原義は広く労働組合運動そのものを含むが,通常は狭義の「組合主義」として用いられる。労働組合の目的を団体交渉による労働条件の改善・経済的地位の向上におき,資本主義社会の変革のような政治的目的を追求することを埓外とするもの。イギリスを中心に発達し,国際自由労連系の労働組合の大半立場となっている。 20世紀初頭に社会民主主義者によって唱えられた経済主義としばしば同義として用いられる。しかし日本では 1960年に「日本的労働組合主義」が日本労働組合総評議会 (総評) 指導者によって提唱され,経済闘争基盤としつつ,そのうえに立って政治活動を強化することが労働者の生活向上に不可欠との考えが強調された。この用語一過性であったが,現在の日本における労働組合主義の運動は,経済闘争を第一義とはするものの,政治活動を排除するものではない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の労働組合主義の言及

【トレード・ユニオニズム】より

…〈労働組合主義〉と訳される。労働運動に関する思想の一つで,労働組合運動を重視する傾向をもつ。…

※「労働組合主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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