寄掛り（読み）ヨリカカリ

デジタル大辞泉

より‐かかり【寄（り）掛（か）り／^×凭り掛（か）り／^×倚り懸（か）り】

１ よりかかること。また、よりかかるように作ったもの。脇息きょうそくやいすの背など。
２ 和船で、外艫そとどもの上枻うわだなが高く反り上がっている部分。えりかかり。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

より‐かかり【寄掛・倚懸・凭掛】

1. 〘 名詞 〙
2. ① よりかかること。よりかかる対象であるもの。また、頼みにしたり依存したりすること。
   1. [初出の実例]「戦後」(出典：<出典>もはや)
3. ② 肘(ひじ)や背中などを当ててよりかかるための道具。脇息や座椅子などの類。
   1. [初出の実例]「御倚懸 囲三尺七寸、長二尺六寸、幅九寸、高六寸、絹二つ」(出典：正倉院御宝物之図‐御宝物目録（古事類苑・器用一八）)
4. ③ 椅子の部分の名。すわった時背中をもたれかからせるところ。
   1. [初出の実例]「尚徳は椅子の凭掛(ヨリカカリ)へ靠れて」(出典：青春（1905‐06）〈小栗風葉〉春)
5. ④ 婦人が身近におく箱。または、机。
   1. [初出の実例]「やがて京、さかいの町屋へあつらへける道具には、〈略〉貝おけ、よりかかり、ときぐし、びんぐし」(出典：御伽草子・猿の草子（室町末）)
6. ⑤ 和船の外艫(そとども)の上枻(うわだな)を延長した部分。高く反り上がっているところからいう。
   1. 寄掛⑤" />
      寄掛⑤
   2. [初出の実例]「寄掛り之幅、四尺五寸」(出典：船作法覚日記（1824）)

出典　精選版 日本国語大辞典