富島松五郎伝(読み)トミシママツゴロウデン

デジタル大辞泉 「富島松五郎伝」の意味・読み・例文・類語

とみしままつごろうでん〔とみしままつゴラウデン〕【富島松五郎伝】

岩下俊作小説荒くれ者無法松こと富島松五郎の一生を描く。昭和14年(1939)、「九州文学」に発表。第10回直木賞候補作となる。昭和18年(1943)以降、「無法松の一生」の題でたびたび映画化され、のちに作者自身が「無法松の一生」に改題森本薫脚色による舞台化作品もある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の富島松五郎伝の言及

【無法松の一生】より

稲垣浩監督作品。原作は岩下俊作の《富島松五郎伝》(1939)で,脚本は伊丹万作。明治から大正にかけての九州小倉を舞台にして,無鉄砲さのために〈無法松〉と呼ばれた人力車夫松五郎(阪東妻三郎)が,ふとした縁で知りあった軍人の未亡人とその息子に一生をささげる純愛・献身の物語であるが,伊丹万作は当時の時勢のなかで〈最上の題材〉ではないと意識しながらも,人間の素朴な美しさや悲しさ以上に,極度に抑圧された恋愛を描いた小説であると読みとって脚色,日本映画の名作シナリオの1本に数えられている。…

※「富島松五郎伝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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