富永御厨(読み)とみながのみくりや

日本歴史地名大系 「富永御厨」の解説

富永御厨
とみながのみくりや

古代加賀郡大野おおの(和名抄)内に成立した御厨で、のち臨川りんせん(現京都市右京区)大野庄に包含された。建久三年(一一九二)八月の伊勢大神宮神領注文写(神宮雑書)に「富永御厨二宮」とみえ、永暦元年(一一六〇)に立券、長寛三年(一一六五)宜旨により寄進されたと記される。供祭物は「内宮上分并別進起請米」合せて一五〇石、外宮方の記載は空白。なお給主(領家)権中納言家とは永暦元年から応保元年(一一六一)まで加賀守であった善勝寺流藤原(四条)隆房と思われる。「神鳳鈔」では田積二〇〇余町、内宮上分三〇石・口入一二〇石・魚五〇隻、外宮上分一〇石・魚五〇隻、雑用米四〇石・魚五〇隻とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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