朝日日本歴史人物事典 「世良親王」の解説
世良親王
生年:生年不詳
後醍醐天皇の皇子。母は参議西園寺実俊の娘。大宰帥になったので「帥の御子」という。すぐれた資質の持ち主であったらしく,父後醍醐の期待を一身に受けた。また亀山上皇の皇女昭慶門院憙子に愛育され,同女院の遺領18カ所を譲与された。世良は元徳2(1330)年9月に病没し,周囲を嘆かせた。行年は20歳前後と思われるが,没する直前,自分の住居「河端別業」を禅院となし,所領を寄進することを遺言した。この遺志は父後醍醐天皇によって聞きいれられ,洛西の臨川寺が開かれた。世良が没すると,その乳父の北畠親房が出家。なお『太平記』に世良は登場しない。<参考文献>森茂暁『皇子たちの南北朝』
(森茂暁)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報