対イオン(読み)タイイオン

化学辞典 第2版 「対イオン」の解説

対イオン
タイイオン
counter ion, gegen ion

ゾル中のコロイド粒子表面に吸着したイオンと対立して,粒子をとりまく反対符号をもつイオン.たとえば,金のゾルではAuCl4が吸着し,H などの陽イオンが対立イオンとして媒質中に分布する.ある厚さのイオン雰囲気を形成しているものと考えられる.【電解質溶液中において,溶液全体では電荷のバランスがとられ中性であるが,反対電荷をもつイオンは互いに引き合い,たとえば陽イオンのまわりに多くの陰イオンがとりまいている.これは動的なものであるが,平均として陽イオンのまわりには陰イオンが集まる.このとき,陽イオンに対して陰イオンを対イオンという.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android