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対兵力戦略 たいへいりょくせんりゃくcounterforce strategy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

対兵力戦略
たいへいりょくせんりゃく
counterforce strategy

核戦略の一つ。核攻撃にあたって人口が集中している都市を避け,敵の核報復力の破壊を行うもの。アメリカ空軍の主張するところで,1962年6月 16日にアメリカの R.マクナマラ国防長官がアナーバーにおける演説でコントロールされた対兵力戦略として提唱した (1964年には損害限定戦略として変更されている) 。都市攻撃と異なり,広く分散した非脆弱な地下基地などの軍事目標を破壊するためには,核戦備が量質ともに充実し,大量の核弾頭と運搬装置をもっていることのほかに,技術的には命中精度が高いことが要求される。同時に,敵の核兵力の配備位置について正確な情報をもっていることも必要である。しかし,ソ連側の核戦略能力の増大と非脆弱化に伴い,「対都市戦略」を考慮せざるをえず,マクナマラ時代の後半は確証破壊戦略と称する一種の相互抑止戦略を採用していた。 70年代,J.シュレジンジャー国防長官は,確証破壊によって全面核戦争を抑止しながら,一部の特定目標 (戦略兵力) を選択的に攻撃する目標選択戦略と称する対兵力戦略を 74年に採用した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典内の対兵力戦略の言及

【核戦略】より

… この戦略において,マクナマラは核戦力については,敵の先制攻撃を受けても生き残れる非脆弱な核報復力を重視した。マクナマラは当初,敵の核戦力を攻撃する対兵力戦略counter‐force strategyを重視していたが,ソ連の核戦力の非脆弱化にともなって都市・工業地帯を攻撃する対都市戦略counter‐city strategy(対価値戦略counter‐value strategy)を重視する方向に転じ,敵の核戦力を攻撃しアメリカの損害を限定するとともに,敵の奇襲攻撃を受けても生き残った核戦力で反撃して〈敵に受け入れられないほどの損害を与える能力〉を持つ必要があると考えた。これは〈確証破壊戦略assured destruction strategy〉といわれ,60年代以降の核戦略の基礎となった。…

※「対兵力戦略」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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