小仏関跡(読み)こぼとけのせきあと

国指定史跡ガイド 「小仏関跡」の解説

こぼとけのせきあと【小仏関跡】


東京都八王子市裏高尾町にある関所跡。市街地から西南方向へ約6km、旧甲州街道が危険な山間部にさしかかる手前に位置する。江戸時代の防衛拠点として重要なことから、1928年(昭和3)に国の史跡に指定された。天正年間(1573~92年)に北条氏照(うじてる)が武蔵国と相模国境の要衝として小仏峠の頂上に築いたのがはじまりとされ、その後、麓(ふもと)に下ろされ、北条氏滅亡後に関東に入った徳川家康によって、現在地に移設され整備されたといわれている。全国の関所は1869年(明治2)の太政官布告により廃止されたが、小仏関も例外ではなく、建物は取り壊された。現在は、通行人手形を置いた手形石と吟味(ぎんみ)を待っている間に手をついていた手付石が残っている。八王子市郷土資料館に道中手形の一部を収蔵。JR中央本線高尾駅から京王バス「駒木野」下車、徒歩すぐ。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報