小佐治村(読み)こさじむら

日本歴史地名大系 「小佐治村」の解説

小佐治村
こさじむら

[現在地名]甲賀町小佐治

大原おおはら谷の北西に位置。佐治川の上流で、低い丘陵地帯に谷が開ける。東西に長く、猪野いのう滝谷たきたにさと向山むかいやま城殿じよんど中出なかで杉谷すぎたに惣谷そうたに谷出たにで山手やまて上出かみで新田しんでんなどの垣内に分れる。小佐治の名は神保じんぼう村・隠岐おき村を合せて大佐治とよぶのに対するよび方という(甲賀郡志)。天平勝宝三年(七五一)七月二七日の近江国蔵部庄券(東寺文書)の四至に「北佐遅谷竟」とみえる。当地を本拠とした小佐治氏の名は建武三年(一三三六)六月日の軍忠状(小佐治文書)にみえる。康安元年(一三六一)五月八日、守護料所となっていた「甲賀郡小佐路郷」の地頭年貢のうち辻孫太郎跡が六角氏頼から佐治弾正忠に預け置かれている(「佐々木氏頼預置状」蒲生文書)。永享二年(一四三〇)一二月二三日、佐治太郎左衛門入道は幕府から鈴鹿関の警固を命じられている(御前落居奉書)。佐治氏は平業国の子孫といい、城殿垣内には土塁や空堀の残る佐治城跡がある。大永七年(一五二七)三月に連歌師宗長が佐治長政の庵に宿泊している(宗長手記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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