小作官(読み)こさくかん

精選版 日本国語大辞典 「小作官」の意味・読み・例文・類語

こさく‐かん‥クヮン【小作官】

  1. 〘 名詞 〙 小作争議発生に際して、当事者間の和解調停を成立させることを任務とした行政官。大正一三年(一九二四)各府県に設置
    1. [初出の実例]「道庁から『小作官』がやってきた」(出典:不在地主(1929)〈小林多喜二〉一〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の小作官の言及

【小作調停法】より

…小作争議がおきた場合,当事者の申立てにより裁判所が調停をおこなう制度であり,調停が成立しさらに裁判所が認可した場合には裁判上の和解と同等の効力をもち,調停条項の不履行には強制執行がおこなわれることとなった。この法律に従い,各府県には小作官がおかれ,争議の和解にあたった。小作官の法外調停を含めれば発生争議件数の半分以上が本法で調停されたが,調停法は小作法・小作組合法の流産のうえに成立した単なる手続法であり,地主的土地所有の優位を保証した明治民法を前提としていたため,小作農に不利に作用することが多かった。…

※「小作官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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