小児のヒステリー

六訂版 家庭医学大全科 「小児のヒステリー」の解説

小児のヒステリー
(子どもの病気)

 ヒステリーは、何らかの葛藤やストレスが形を変えて現れるものです。本人は原因になっているストレスを意識できないことが特徴です。

 症状としては、体に現れる症状(身体症状)と意識・記憶の障害とに分けることができます。小児の場合、身体症状では、声が出ない(失声(しっせい))、視力・視野障害などが多く、歩けなくなる(失立(しつりつ)失歩(しつほ))こともあります。意識や記憶の障害では、ある期間の記憶がないこと(解離性健忘(かいりせいけんぼう))が多く、まれですが、けいれん様の発作を起こすこともあります。

 ヒステリーの診断には、体に異常がないことを診察検査などによって最初に確認することが必要です。失声や失立・失歩は見た目にも派手な症状ですが、それだけ一人では処理できない葛藤やストレスがあると考えて、焦らずに一緒に考え支援することが大切です。解離性健忘の場合には幼児期虐待など、心が受けた傷が原因になっていることがあるために、慎重な対応が必要になります。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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