小岩嶽城(読み)こいわたけじょう

日本の城がわかる事典 「小岩嶽城」の解説

こいわたけじょう【小岩嶽城】

長野県安曇野市にあった山城(やまじろ)。戦国時代に北安曇に勢力を誇った仁科氏の一族である古厩氏の城である。築城年代や築城者は不明。小笠原氏に属していた小岩嶽城は1552年(天文21)、甲斐の武田晴信(信玄)に攻められて落城。その際、城主の古厩盛兼は自刃したが、古厩氏は武田氏に従い小岩嶽城を居城とした。1582年(天正10)、武田氏が滅亡すると、小笠原貞慶が旧領の信濃安曇・筑摩両郡に復帰したため、それに伴い古厩氏も小笠原氏に従った。しかし、翌1583年(天正11)、古厩氏は謀叛を企てたという理由で松本城で殺された。小岩嶽城はその際に廃城になったと考えられている。また、小岩嶽城は1582年(天正10)に、旧領の回復をねらう小笠原貞慶に攻められ、焼き払われたとする説もある。現在、城跡は小岩嶽城址公園となっており、曲輪(くるわ)、土塁などの遺構が残っているほか、同公園内には模擬門や櫓(やぐら)を模した展望台がつくられている。JR大糸線有明駅から車で約10分。◇小岩岳城とも記述される。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

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