小川浦(読み)おがわうら

日本歴史地名大系 「小川浦」の解説

小川浦
おがわうら

[現在地名]三方町小川

西にし浦の一で遊子ゆうし浦の西に位置する。北小川ともいう。中世には倉見くらみ庄に属し、年不詳五月九日付天台座主宮令旨写(大音家文書)に「山門東塔北谷虚空蔵尾領若狭国於河浦」とみえる。

中世以来漁業が盛んで、慶長七年(一六〇二)六月の若狭国浦々漁師船等取調帳(桑村家文書)によれば船四八艘があり、惣中で鯖・鰯網三かわ(張)を有した。しかしこの頃には舟は草分百姓の一二家に独占されていたらしく、慶応二年(一八六六)の記録覚帖(安原家文書)は「百六拾年以前迄は脇には船持は無御座候、依之小物成御運上銀長方として致し来り候、追て家数ハ多く相成候故、脇方より私共に船を持たせ呉れ、共に沖漁業も為致呉れる様に被相願候処、村持合之中一統之に致遣し候、夫より小物成御上納等も割合に相成候事」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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