小笠原騒動物(読み)おがさわらそうどうもの

改訂新版 世界大百科事典 「小笠原騒動物」の意味・わかりやすい解説

小笠原騒動物 (おがさわらそうどうもの)

歌舞伎,人形浄瑠璃講談の作品の一系統。豊前小倉藩の小笠原家の御家騒動を脚色したもの。歌舞伎では奈河晴助作《濃紅葉小倉色紙(こいもみじおぐらしきし)》が1816年(文化13)に大坂浅尾徳三郎座(中の芝居)で上演されたのが最初。2世嵐吉三郎の大当りが著名。小笠原家乗っとりの陰謀をめぐらす犬上兵庫一味と白狐の加護を得た忠臣笹原隼人らの活躍を描いているが,白狐がはたらくケレン芝居として知られている。81年10月に勝能進・諺蔵父子が講談から取材して《小笠原流礼忠孝(おがさわらりゅうれいのちゅうこう)》を作って大阪戎座で上演した。東京でも90年2月に東京中村座で《小笠原諸礼聞書》,98年東京春木座で《小笠原実記》を上演している。人形浄瑠璃では1840年(天保11)正月稲荷境内東芝居で《契情小倉(けいせいおぐら)の色紙》が上演され,それが62年(文久2)9月に同座で再演されている。
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