小脳テント切痕ヘルニア(読み)しょうのうテントせっこんヘルニア(その他表記)transtentorial herniation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小脳テント切痕ヘルニア」の意味・わかりやすい解説

小脳テント切痕ヘルニア
しょうのうテントせっこんヘルニア
transtentorial herniation

小脳と大脳後頭葉との間に突出した脳硬膜小脳テントといい,この小脳テントの内縁中央部にあるV字状の深い切れ込みを小脳テント切痕という。小脳テント切痕ヘルニアは,小脳テントの上腔または下腔の内圧が高まり,脳の一部がテント切痕部に陥入した状態をいう。上行性と下行性があり,後者が多い。下行性ヘルニアでは,脳腫瘍血腫などでテント上腔の内圧が高くなり,テント切痕部に側頭葉の一部が陥入して脳幹部を圧迫する。意識障害,病変側の動眼神経麻痺,反対側の片麻痺などの症状が現れる。きわめて重篤な状態であり,早期に緊急手術を行わないと致命的である。

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