日本大百科全書(ニッポニカ) 「小興安嶺」の意味・わかりやすい解説
小興安嶺
しょうこうあんれい / シャオシンアンリン
中国、黒竜江(こくりゅうこう/ヘイロンチヤン)省北部を北西から南東に走る山脈、東興安嶺ともいう。北西はイルフリ山脈に連なり、南東は松花江(しょうかこう/ソンホワチヤン)下流に達する。全長400キロメートル、標高600~1000メートル。古・中・新生代の花崗(かこう)岩からなるが、北部には新期玄武岩域がある。1月の平均気温は零下24℃、7月は21℃、年降水量は600ミリメートルで夏に集中する。北斜面の川は黒竜江に、南斜面の川は松花江に注ぐ。しかし西斜面のウユル河は尻無(しりなし)川である。土壌は暗褐色森林土で、チョウセンゴヨウ、トウヒなどを多く産する。人口密度は1平方キロメートル当り10人以下で、少数のオロチョン族を含む。漢民族は山中の伊春(いしゅん/イーチュン)など林業都市に増えつつある。
[浅井辰郎]