興安嶺(読み)こうあんれい

精選版 日本国語大辞典 「興安嶺」の意味・読み・例文・類語

こうあん‐れい【興安嶺】

中国東北部、黒龍江省内モンゴル自治区にまたがる山地。黒龍江上流から南西に延びる大興安嶺(内興安嶺)と南東に延びる小興安嶺(外興安嶺)に分かれ、アジア北部の農耕地域と遊牧地域の境界をなす。

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デジタル大辞泉 「興安嶺」の意味・読み・例文・類語

こうあん‐れい【興安嶺】

中国、東北地方山脈黒竜江上流から南西にのびる大興安嶺と、南東にのびる小興安嶺とに分かれる。シンアンリン

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百科事典マイペディア 「興安嶺」の意味・わかりやすい解説

興安嶺【こうあんれい】

中国,東北地方にある内興安嶺をいい,大・小両興安嶺に分かれる。大興安嶺はアムール川南方,東北地方北西部を北東〜南西に走る延長約1500kmの山脈。標高1000〜2000mで比較的低く,東側は急峻(きゅうしゅん),西方緩斜面をなしてモンゴル高原に連なる。小興安嶺は大興安嶺より派生し,北西〜南東に走り,南斜面は緩傾斜をなし,東北北部の平野に終わる。両者の森林地帯には狩猟生業とするオロチョン族などが居住。なおアムール川北方,ロシア領内のスタノボイ山脈を中国では外興安嶺という。
→関連項目陰山山脈内モンゴル自治区太行山脈中華人民共和国フルンブイル(呼倫貝爾)北安満州

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改訂新版 世界大百科事典 「興安嶺」の意味・わかりやすい解説

興安嶺 (こうあんれい)
Xīng ān lǐng

中国北東,内モンゴル自治区と黒竜江省にかけての山脈。西の大興安嶺,東の小興安嶺,その間の伊勒呼里山脈からなる。大興安嶺は内モンゴル北東部を北北東から南南西に走り,長さ約1500km,標高約1500m,主峰は黄崗峰2029m。中国の高原平原を分ける構造線の一部で,山脈西側は緩傾斜でモンゴル高原,東側は急傾斜東北平原につづく。水成岩,花コウ岩からなり,長期間の浸食で比較的なだらかである。小興安嶺は黒竜江省北東部を北北西から南南東に走り,標高1000m前後,最高は平頂山1429m。花コウ岩,玄武岩などのほか,北部に金を含む石英岩脈がある。山脈西側を走る断層線に沿って火山がみられ,18世紀に流出溶岩でできた五大蓮池は保養地として知られている。大・小両興安嶺ともに中国有数の森林地帯を有し,今日その開発は盛んで,伊春などの林業都市がある。また,小興安嶺ではキツネ,テンなどの毛皮や鹿茸(ろくじよう)などの産物もある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「興安嶺」の意味・わかりやすい解説

興安嶺
こうあんれい / シンアンリン

中国、内モンゴル自治区北東部および黒竜江(こくりゅうこう/ヘイロンチヤン)省北部の山脈の総称。やや弧形をなし、西を大興安嶺、東を小興安嶺とよぶが、ときに前者のみをさす。なお大興安嶺を内興安嶺、その黒竜江を越えて北東への延長のスタノボイ山脈を外興安嶺とよんだり、大興安嶺を西興安嶺、小興安嶺を東興安嶺とよぶ場合もある。

[浅井辰郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「興安嶺」の意味・わかりやすい解説

興安嶺
こうあんれい

中国北東部にあるターシンアンリン (大興安嶺) 山脈とシヤオシンアンリン (小興安嶺) 山脈の総称。ターシンアンリン山脈は標高 1000~1400m,シヤオシンアンリン山脈は 600~1000m。原生林におおわれ,中国有数の木材産地となっている。毛皮獣や漢方薬材も豊富である。ロシアの東シベリア南部にあるヤブロノブイ山脈,スタノボイ山脈は 1689年のネルチンスク条約ではロシアと中国の国境となっており,外興安嶺とも呼ばれていた。

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