朝日日本歴史人物事典 「山の八」の解説
山の八
江戸時代の浮世草子作者,書肆。本名山本弘之。通称は和泉屋八左衛門。京都下立売通大宮西入ル町の本屋であり,同じく京都出水通大宮西入ル町の書肆和泉屋三郎兵衛などとは同族かと思われる。本業の傍ら,天和2(1682)年刊の『恋慕水鏡』をはじめとして好色本を執筆。自らの『好色重宝記』『好色旅枕』『好色床談義』を,「好色三部の書」と呼んでいる。このような彼の好色本は,700部から2000部も刷ったといい,仮名草子から浮世草子への過渡的作品と位置づけられる。<参考文献>野間光辰『近世作家伝攷』
(樫澤葉子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報