山の八(読み)やまのやつ

朝日日本歴史人物事典 「山の八」の解説

山の八

生年生没年不詳
江戸時代の浮世草子作者,書肆。本名山本弘之。通称和泉屋八左衛門。京都下立売通大宮西入ル町の本屋であり,同じく京都出水通大宮西入ル町の書肆和泉屋三郎兵衛などとは同族かと思われる。本業の傍ら,天和2(1682)年刊の『恋慕水鏡』をはじめとして好色本を執筆自らの『好色重宝記』『好色旅枕』『好色床談義』を,「好色三部の書」と呼んでいる。このような彼の好色本は,700部から2000部も刷ったといい,仮名草子から浮世草子への過渡的作品と位置づけられる。<参考文献>野間光辰『近世作家伝攷』

(樫澤葉子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山の八」の解説

山の八 やまのやつ

?-? 江戸時代前期の戯作(げさく)者。
延宝-元禄(げんろく)(1673-1704)のころの京都の版元で,役者評判記,古典俗解書などを出版。好色本流行に乗じて,浮世草子「恋慕水鏡」「風流嵯峨紅葉」などを自作した。姓は山本。名は弘之。通称は八左衛門。屋号は和泉(いずみ)屋。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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