…
【形式】
浮世絵の主たる表現形式は終始木版画であり,肉筆画は従の関係にあった。浮世絵版画は,商業資本である版元の企画の下に絵師,彫師,摺師3者の技術が動員された結果の産物であり,下絵を提供する絵師の表現には,おのずから相当の制約が課せられたものであった。
[浮世絵以前の版画]
日本における木版画の歴史は古い。…
…本屋ともいう。江戸期初め民間で出版活動がはじまってから明治初期までは,板元(はんもと)(版元,書肆(しよし),本屋)が編集から製作,卸,小売,古書の売買を一手におこなっていた。したがって,書店とは本来,出版社,取次店,新刊本小売店,古書店の総称であり,現在も出版社,取次店が書店を名のるのはそのなごりである。…
…そういう点では,きわめて個人的な想像力を喚起する媒体でもありうるところから,近代芸術の要件を満たしているのである。
[版画制作]
版画は,ヨーロッパではおそくとも16世紀から版元(出版者)が画家に下絵を求め,それを版刻者(狭義の版画家)が製版し,版元が職人を使って印刷するという企業体制ができていた。版画の下端に版元excudit,excud.,ex.,fecit,f.,画家delineavit,del.,pinxit,版刻者sculpsit,sculp.などと記銘されることが多い。…
※「版元」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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