山上碑及び古墳(読み)やまのうえひおよびこふん

国指定史跡ガイド 「山上碑及び古墳」の解説

やまのうえひおよびこふん【山上碑及び古墳】


群馬県高崎市山名町にある石碑古墳。谷に臨んで南面する丘上の縁近くに造成された平坦な場所にあり、西に碑が、東に古墳が並んでいる。碑は「上野(こうずけ)三碑」の一つで、1921年(大正10)に多胡碑(たごひ)、金井沢碑とともに国の史跡に指定され、1954年(昭和29)に特別史跡の指定を受けた。この碑には4行53文字が刻まれ、681年(天武天皇10)と推定される「辛巳(かのとみ)」の年に、放光寺の僧長利が母のため記した墓碑である。近世中期から知られており、1884年(明治17)に近くから移されて台石を補い、覆屋が設けられた。碑身は安山岩、高さ約112cm、幅47cm、厚さ52cmで、文は表面に陰刻されており、わが国金石文史上、きわめて価値の高い碑とされている。碑の東側には横穴式石室の内部構造をもつ直径15mの円墳があり、古墳としては終末期に属し、碑と密接な関係があるものと考えられ、附として同時に指定された。上信電鉄西山名駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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