円墳
えんぷん
平面形が円形の古墳。正円形のほかに長円形のものもあり、各時期、各地方にもっとも普遍的にみられる墳形である。4~5世紀のものは、墳頂平坦(へいたん)部が広く截頭円錐(さいとうえんすい)形であり、中・小首長墳のほかに前期小形墳も多い。6世紀後半以降の群小墳では山丘腹利用のため墳端位が著しく異なるものや地膨(じぶく)れ程度の盛土(もりつち)しかもたぬものも多い。径50メートルを超す大形のものもあるが、大形円墳とされているもののなかには、低く小さい造り出しの存在を見落とした例もある。
[今井 尭]
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えん‐ぷん ヱン‥【円墳】
〘名〙 古墳時代の最も多い墳
墓形式の一つ。封土
(ほうど)の平面図が円形で、横からみて半球状になっている塚。古墳時代以後もこの形は普通に使われている。
※街道記‐甲斐わかひこ路(1956)〈井伏鱒二〉「三つの円墳がある」
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円墳
えんぷん
墳丘の平面が円形の古墳
古墳時代を通してみられ,数が圧倒的に多く,後期には多数の小型円墳で群集墳を構成した。
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円墳
円形の古墳です。古墳時代の後半になると群集墳[ぐんしゅうふん]として、たくさん造られます。
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えんぷん【円墳】
農耕社会が一定の成熟をみせる新石器時代後半から青銅器時代にかけて,盛土を有する墳墓が世界各地で築造された。盛土の平面が円形をなす墳墓(円墳)は,その中心的な形態の一つで,西北ヨーロッパの巨石墳の一部やユーラシア大陸内陸部のクルガン等がよく知られている。東アジアでは青銅器時代の華南に先駆をみ,馬王堆墳墓群のごとく前漢にも築かれたが,方墳を主体としていた中原に円墳が普及するのは後漢に入ってからである。日本では,古墳時代に截頭円錐形のものが出現し,首長や族長層に用いられたが,古墳時代後期には,横穴式石室を伴う土饅頭形の小型墳が全国的に盛行し,家族墓として,より広範な階層の人々に採用され,群集墳を形成した。
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