岡八幡神社(読み)おかはちまんじんじや

日本歴史地名大系 「岡八幡神社」の解説

岡八幡神社
おかはちまんじんじや

[現在地名]上野市白樫 宮ノ東

初め岡八幡宮、明治四一年(一九〇八)治田の黒滝はつたのくろたき社を合祀して二郷にごう神社と改め、大正一一年(一九二二)岡八幡社と改称した。室町末期成立の「准后伊賀記」に「伊賀郡ノ南ニ在、源氏頼朝鶴岡ノ社氏豊ノ久勝カ弟勝宗ヲ社人トシテ今ニ豊氏伝之」とある。「伊水温故」「伊賀国誌」も勧請の年代を建久元年(一一九〇)四月とし、「当社ハ伊賀郡ノ中央ヨリスコシ西也、南ノ方ニハ八幡ナシ、郷老ノ伝ニ云、当社ハ尊氏東敵対治ノ為、祈願、建武年中一国ニ洽ク一社ノ八幡大神ヲ尊氏将軍勧請、当社其随一也」と足利尊氏にちなむ故事を加える。これは初め猪の谷いのたにに鎮座したが荒廃し、尊氏の世に再興されて現在地に移ったと伝えるからである。「伊水温故」はさらに、旧記によるとして、「本宮三座、西ノ座御后中津姫 本地勢至、中央八幡太郎 本地阿弥陀、東ノ座神功皇后 本地観音、本宇一宇、若宮一宇 社領五十石、宮地四町四方」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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