勧請(読み)かんじょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

勧請
かんじょう

仏教用語。「勧め請う」。 (1) 本来,真心こめて仏に願って説法を請い,仏が永遠にこの世にあって人々を救ってくださるようにと請願する意。 (2) 日本では,仏神や像を寺社に新たに迎えて奉安することをもいう。 (3) 法要のとき,所定の文を読誦して,仏菩薩の霊を式場に請い移す意にも用いる。

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デジタル大辞泉の解説

かん‐じょう〔クワンジヤウ〕【勧請】

[名](スル)
神仏の来臨や神託を祈り願うこと。また、高僧などを懇請して迎えること。
神仏の分身・分霊を他の地に移して祭ること。「熊野権現(くまのごんげん)を勧請する」

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世界大百科事典 第2版の解説

かんじょう【勧請】

神道では,離れた土地より分霊を迎え遷座鎮祭すること,すなわち,本祀の社の祭神の分霊を迎えて新たに設けた分祀社殿にまつること。もともとは仏教より出た語で,仏に久住して法輪を転じ衆生を擁護することを請う,という意で用いられたが,のちに仏菩薩を他に請じて久住を願うことに転じて用いられるようになった。日本では神仏習合の発展によって,八幡大菩薩熊野権現などの垂迹神の神託を請うことを勧請といい,さらに神仏の霊を招いて奉安することをいうようになり,そこに勧請された神を勧請神と呼ぶようになった。

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大辞林 第三版の解説

かんじょう【勧請】

( 名 ) スル
神仏の来臨を請うこと。
神仏の分霊を他の場所に移しまつること。宇佐神宮から分霊を迎えて石清水八幡宮をまつったことなどはその例。
勧め、請い願うこと。悟りを開いた釈尊に対して、一切衆生いつさいしゆじようのために法を説くよう梵天ぼんてんが勧め、請い願ったことを「梵天勧請」という。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

勧請
かんじょう

仏に勧めて、法を説いたり、世に久しく住することを請うこと。釈迦(しゃか)が悟りを得たとき梵天(ぼんてん)がきて法を説くことを請い願ったり、あるいは普賢菩薩(ふげんぼさつ)の十大願の第七に、仏がこの世に長くとどまることを請い願うなど、多くの用例がある。のちに菩薩の五種の滅罪懺悔(めつざいさんげ)の法(五悔)の一つともなった。日本では、神仏の神託を請うこと、神仏の霊や形像を招請し奉安することをもいう。中世、日吉山王(ひえさんのう)社、八幡(はちまん)宮、祇園(ぎおん)社、天満(てんまん)宮、そのほか有名神社の祭神の分霊は、全国に勧請された。こうした神は勧請神といわれたが、祭りのために臨時に祭壇に招請される神をさす場合もある。さらに実際に開山でない人を開山にあてるのを勧請開山という。[田村晃祐]

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精選版 日本国語大辞典の解説

かん‐じょう クヮンジャウ【勧請】

〘名〙
① 仏語。仏に説法してくれるように願い、また、その教えが世に長くあるよう請うこと。〔過去現在因果経〕
② 神仏の来臨や神託を請い願うこと。また、高僧などを請い迎えること。
※続日本紀‐天平一五年(743)正月癸丑「勧請海内出家衆於所住処
※源平盛衰記(14C前)二四「神託に任せて勧請(クンジャウ)の為に勅使、百官を宇佐宮に立てられたりければ」
③ 神仏の分身、分霊を他の地に移してまつること。
※平家(13C前)二「熊野の三所権現を勧請し奉て、帰洛の事をいのり申さばや」

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