岡島千代造(読み)オカジマ チヨゾウ

20世紀日本人名事典 「岡島千代造」の解説

岡島 千代造
オカジマ チヨゾウ

明治期の発明家モスリン発明家。



生年
嘉永6年10月23日(1853年)

没年
大正10(1921)年11月7日

出生地
大和国葛城郡(奈良県)

出身地
大阪府

経歴
大和葛城郡の農家に生まれ、大阪に出て米穀商を営んでいたが、フランス製モスリンの輸入高が膨大なのを知り、明治10年頃からモスリン友禅の研究に没頭家業を放棄して大阪南区瓦町に町工場を起こした。まず丸紋模様を考案、ついでモスリンの染色法の改善に取り組み、14年写染法緋糊の発明に成功して、緋友禅写染法を考案し、17年完成する。モスリンそのものの製造にも取り掛かり、26年モスリン無地および素地製造法を開発、日本初のモスリン生地を製織し、縞モスリン製法を実用化した。技術を独占せず業界に分かち与え、29年大阪に毛斯綸紡織が設立され、東京・名古屋・大阪などに大工場が造られて、大正初期にはモスリンの輸入はゼロとなった。実業家より発明家の道を選び帝国発明協会大阪支部を創設し、大阪発明館を常設して一般に公開した。フランスモスリンを凌ぐ優秀な技術を開発し良質の国産品を海外に示した功績は大で、明治42年発明功績を表彰される。また第2回地方発明表彰会にも表彰された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡島千代造」の解説

岡島千代造 おかじま-ちよぞう

1853-1921 明治時代の発明家。
嘉永(かえい)6年10月23日生まれ。フランス製モスリンの輸入高が膨大なのを知り,モスリンの染色法の改善にとりくみ,明治14年緋友禅写染法を考案。またモスリン生地を製織し,縞モスリン製法を実用化した。大正10年11月7日死去。69歳。大坂出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android