デジタル大辞泉
「家業」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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か‐ぎょう‥ゲフ【家業】
- 〘 名詞 〙
- ① 家の財産。一家の財産。
- [初出の実例]「庶使三貧乏百姓、各存二家業一。〈略〉渉二歴他郷一積レ歳忘レ帰。其中縦有三悔レ過還二本貫一者、縁二其家業散失一、無レ由二存済一」(出典:続日本紀‐養老四年(720)三月己巳)
- [その他の文献]〔漢書‐楊王孫伝〕
- ② 一族が世襲的に継承していく、武芸、芸能、学問などの固有の技術や才能。
- [初出の実例]「家業年租本課レ詩、情田欲レ倦莠言滋」(出典:菅家文草(900頃)二・予作詩情怨之後、再得菅著作長句二篇)
- 「中にも千種の頭の中将忠顕朝臣は〈略〉文字の道をこそ家業(カゲウ)とも嗜まるべかりしに」(出典:太平記(14C後)一二)
- [その他の文献]〔列子‐天瑞〕
- ③ 家の職業。
- [初出の実例]「銘々家業(カゲウ)を外になして諸芸ふかく好める事なかれ」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)五)
- 「壱人は家を建るのを家業とし、今壱人は衣服を製(こしら)へるのを家業にする」(出典:交易問答(1869)〈加藤弘之〉上)
- ④ 法門に属する者がなすべき仕事。修道、修学をいう。〔空華日用工夫略集‐永和四年(1378)九月一一日〕
け‐ぎょう‥ゲフ【家業】
- 〘 名詞 〙 一家の生計を立てる職業。また、家代々の職業。生業。かぎょう。
- [初出の実例]「而に我が一門に出家せる者、独も无(な)くして、家業(けげふ)をのみ営めり」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「家業」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の家業の言及
【家事】より
… 第1に,〈生産〉や〈職業〉と対比される固有の〈家事〉領域の成立が挙げられよう。たとえば農業近代化以前の自給的農家においては,家事は農業生産と密接に結びつき,両者は〈家業〉として一体化されており,どこまでが家事でどこからが生産であるか,はっきり線を引くことができない要素があった。しかし,近代化の進行とともに工業化・商品化・被雇用労働者化が進むにつれて,〈家業〉は変容し,家庭内の私的な消費生活を受け持つ固有の〈家事〉と,外で社会的生産労働に携わりその対価として貨幣を稼ぐ〈職業〉とに分離した。…
【のれん分け(暖簾分け)】より
…17世紀以降,商人や職人の家屋の軒先に[屋号],商品,商標などをデザイン化した暖簾を出すのが一般的になった。商人や職人が暖簾を重視するようになったのは,家業という特定の営業権や技術をもつ経営が成立していったことによる。家業として認められた営業を持続するために,主人と奉公人たちは擬制的家族関係の意識をもって経営を維持するようになり,また拡大するさいは暖簾分けという営業権の分与がなされていった。…
※「家業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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