ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モスリン」の意味・わかりやすい解説
モスリン
muslin
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翻訳|muslin
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元来、木綿の薄手のものをいうが、日本ではメリンスとか唐縮緬(とうちりめん)、また略して「とうち」などともいわれた薄い毛織物で、おもに女性の衣料として用いられた。明治初期、イギリスから生地(きじ)が輸入され、まもなく、これに友禅染めを施したものが普及した。その後1897年(明治30)ごろから日本でも生地の製織が行われ、着尺(きじゃく)、帯地、下着、ふとんなどの用に供された。綿製の綿モス、新モスなどもあった。一時はネルやセルなどとともに女性の普段着としてかなり広い需要層をもっていたが、虫のつきやすいことなどから、しだいに用いられることが少なくなり、今日ではほとんどみられなくなった。
[山辺知行]
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