川崎大治(読み)カワサキ タイジ

20世紀日本人名事典 「川崎大治」の解説

川崎 大治
カワサキ タイジ

昭和期の児童文学者 元・日本児童文学者協会長。



生年
明治35(1902)年3月29日

没年
昭和55(1980)年8月8日

出生地
北海道札幌

本名
池田 政一(イケダ マサイチ)

学歴〔年〕
早稲田大学英文科〔大正15年〕卒

経歴
早大在学中から児童作家を志し、社会主義に傾倒してプロレタリア童謡集「小さい同志」を槇本楠郎らと昭和6年に刊行。左翼運動の衰退と共に生活童話に転じ、12年「ピリピリ電車」を刊行し、15年「太陽をかこむ子供たち」を刊行。戦争中は農繁期保育所の設置に尽力し、戦後は、紙芝居のほかに民主主義児童文学運動を推進、47年日本児童文学者協会会長に就任した。また、38年より東京家政大学教授として児童文学を講じた。著書はほかに「夕焼け雲の下」「川崎大治民話選」(全3巻)、紙芝居に「太郎熊次郎熊」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「川崎大治」の解説

川崎大治 かわさき-だいじ

1902-1980 昭和時代の児童文学者。
明治35年3月29日生まれ。新興童話作家連盟に参加,また無産者託児所運動などにつくす。昭和6年槙本楠郎(まきもと-くすろう)らとプロレタリア童謡集「小さい同志」を出版。のち生活童話に転じ,童話集「太陽をかこむ子供たち」などを発表。戦後,日本児童文学者協会の創立に参加。昭和55年8月8日死去。78歳。北海道出身。早大卒。本名は池田政一。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「川崎大治」の解説

川崎 大治 (かわさき だいじ)

生年月日:1902年3月29日
昭和時代の児童文学者。東京家政大学教授;日本児童文学者協会長
1980年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の川崎大治の言及

【児童文学】より

…千葉省三は《虎ちゃんの日記》(1925)をはじめとする一連の作品で,酒井朝彦は〈木曾もの〉と呼ばれる作品で,郷愁と結びついたリリシズムを描き,また坪田譲治は〈善太・三平もの〉でリアルな児童像を造形して,それぞれにこの時期を代表している。 小川未明や秋田雨雀をさきがけとして社会性のある主題は児童文学のものになってきたが,それを決定的なものにしたのは昭和初年のプロレタリア児童文学運動で,槙本楠郎,猪野省三,川崎大治たちが活躍した。マルクス主義陣営からの批判は,未明童話をもふくめて童心主義の非社会性と超階級性に徹底的に向けられた。…

※「川崎大治」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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