太陽(読み)タイヨウ(英語表記)sun

デジタル大辞泉 「太陽」の意味・読み・例文・類語

たい‐よう〔‐ヤウ〕【太陽】

太陽系中心にある恒星地球からの距離は約1.5億キロ。直接見える部分を光球といい、外側には彩層コロナがある。光球の半径は地球の109倍、質量は33万倍、平均密度は1.4。表面温度はセ氏約6000度。恒星としては大きさも明るさもふつうの星で、エネルギーは中心における水素核融合反応によってまかなわれている。地球上の万物を育てる光と熱のみなもととなっている。
物事の中心となるもの、人に希望を与えるもの、輝かしいものなどのたとえ。「心の太陽
[補説]雑誌太陽」、人工衛星たいよう」は別項
[類語]天日てんじつ日輪にちりん火輪かりん金烏きんう日天子にってんし白日はくじつ赤日せきじつ烈日れつじつお日様天道てんと今日こんにちサンソレイユ(太陽の光)陽光日光日色にっしょく日差し日影天日てんぴ

たいよう[人工衛星]

昭和50年(1975)2月に打ち上げられた科学衛星SRATSスラッツ愛称。東京大学宇宙航空研究所(後の宇宙科学研究所、現JAXAジャクサ)が開発太陽活動の静穏期における超高層大気(主に熱圏)のプラズマ観測を数年にわたって続けた。また太陽のX線紫外線放射の観測も行った。昭和55年(1980)6月に運用終了。

たいよう【太陽】[書名]

総合雑誌明治28年(1895)創刊、昭和3年(1928)廃刊博文館発行。高山樗牛たかやまちょぎゅう大町桂月上田敏らの論説・文芸時評・人物評論・小説などを掲載。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太陽」の意味・わかりやすい解説

太陽
たいよう
sun

地球から最近距離にある恒星。地球を含む八つの惑星がその周囲を公転する。地球から見た視直径は約 32′,地球からの平均距離は約1億 4960万 km,半径 69万 6000km。質量 1.989× 1030 kgで地球の約 33.3万倍。平均密度は水の約 1.4倍。表面重力は地球の約 28倍。見かけの光度-26.74等,絶対光度 4.83等,スペクトル型 G2。ヘルツスプルング=ラッセル図上で主系列晩期に属する。輝く光球の表面を,厚さ数千 kmの彩層すなわち大気層が覆い,その上に高さ数百万 kmまでコロナが広がっている。光球面には約 11年周期で盛衰する黒点群が観測され,それによって太陽は約 26.90日周期で自転していることがわかる。太陽中心部の温度は 1500万K (→ケルビン ) に近いが,太陽表面の温度は約 6000Kに過ぎない。これは恒星の温度としてみると平均的な値である。太陽の光球表面に現れる放射の分光分析により,光球表面の組成は,90%が水素,9.9%がヘリウム,残りは鉄,カルシウム,ナトリウムなどの少量の重元素混合物で構成されることが明らかになっている。内部の核融合により構成物質をある程度変化させているはずではあるが,表面の組成比率は太陽を形成する素材の化学的構成を反映していると考えられる。太陽は太陽系の主要な物体であり,太陽系全体の質量の 99%以上を占めている。
太陽は質量が非常に大きいため,重力により構成物質が強く圧縮され,中心部では圧縮された気体が高温になって核融合が引き起こされている。太陽内部における核融合反応は熱核反応のうちのp-p連鎖で,激しい熱と圧力により水素原子核陽子は次々と別の陽子と衝突して結合し,より安定したヘリウム原子核を形成する。このヘリウム原子核の質量は,もとになった陽子の質量の合計よりもわずかに小さく,減少した分の質量がエネルギーとして放出される。そのエネルギーは毎秒 3.86× 1033エルグにも達する。エネルギーは最初にγ線として放出されるが,この電磁放射は中心から光球表面へ達するまでに途中に存在する物質と何度も相互作用を繰り返し数十万年以上経た後,おもに可視光線赤外線といったかたちで表面へ出てくる。太陽のp-p連鎖の副産物の一つに質量がきわめて小さく電荷をもたないニュートリノがある。この反応で放出されるニュートリノを地球で検出するための実験結果によれば,予測されるニュートリノの数の3分の1しか見つかっていない。この結果は,最終的な確認はまだなされていないが,質量の違う3種類のニュートリノの間で振動を起こしている可能性が強く示唆されている。
光球の外観は,太陽黒点の数を増減させながら,継続的に変化し続けている。太陽表面の黒点領域はさしわたし5万 kmほどの大きさがあり,そこでは強力な局所的磁場が光球の通常の対流運動を阻害している。黒点内の気体温度は周囲より約 1500K低く,黒点は太陽円盤を背景に暗く見える。光球表面の黒点観測から太陽はゆっくりと自転していることが示されているが,太陽の実体は気体状態なので赤道領域を最速として緯度ごとに異なる角速度で回転している。極では1回転に 36日かかるが,赤道では 25日である。さらに詳細な研究から光球は一定の運動をしていることが判明している。これは,1000kmの幅をもつ粒状斑がさらに網状構造になって超粒状斑として現れてくるというもので,エネルギーの出現に伴い文字どおり泡立ちを起こしている。磁気活動は太陽の内層大気である彩層内および外層大気のコロナの中へ広がっている。強い磁場のある超粒状斑の周縁からスピキュールと呼ばれるジェット流が,光球表面から上方へ約 7000kmの高さにまで達している。太陽を包む明るい被覆であるコロナの中では局所的な磁場の突然の変化により紅炎 (プロミネンス) が形成されるが,これは原子イオン電子を捕捉して光を発しているコロナ物質が炎のような突出構造をとったものである。黒点領域における磁場の急激な発達に伴った激しい噴出現象であるフレアにより,ガスがコロナの中へ噴射されることで,環状紅炎と呼ばれる別の現象が生じる。こうした噴出現象では初めに高速の電子と原子核の流れが放出され,次いで二次的な,紫外線,γ線,X線の放射が起こる。フレアはコロナからの継続的な荷電粒子の流出物である太陽風の強さを増加させる。太陽風は毎秒 350kmから 700kmの速度で惑星間空間を動き,少なくとも太陽系内の海王星の軌道まで達している。
太陽の活動周期は,太陽黒点,紅炎,フレアの数が最少から最多まで増加し再び減少するまでの期間のことで,約 11年間の周期長がある。この周期は数万年もの間,規則正しく繰り返されており,太陽が実質的に不変であったことが判明している。今後 50億年の間,太陽は寿命の後半にさしかかり赤色巨星へと膨張するときがくるまで,劇的な変化もなく経過すると予想される。

太陽
たいよう

(1) 博文館が 1895年1月創刊した総合雑誌。それまで刊行していた『日本大家論集』『日本商業雑誌』『日本農業雑誌』『日本之法律』『婦女雑誌』を廃して『太陽』を創刊した。歴代の編集長に高山樗牛,浮田和民,長谷川天渓らの逸材を得たこともあって,島崎藤村,国木田独歩,徳田秋声ら自然主義作家の活躍の舞台にもなり,大いに世に迎えられた。しかし明治という限界をもち,大正デモクラシーの波に乗れず,『中央公論』や『改造』などに席を譲って,1928年2月終刊。 (2) 57年 10月から 58年2月まで筑摩書房が刊行,63年6月以来,平凡社が誌名を受継ぎ,月刊のグラフ雑誌を刊行している。

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百科事典マイペディア 「太陽」の意味・わかりやすい解説

太陽【たいよう】

月刊総合雑誌。博文館発行。1895年1月―1928年2月。臨時増刊号86冊を含め全531冊。日清戦争時の国威高揚に呼応し,刊行中の雑誌を統合して創刊。同時に《少年世界》《文芸倶楽部》を発刊し,雑誌王国博文館の雑誌を3種とした。主筆は高山樗牛,坪谷水哉,鳥谷部春汀,長谷川天渓平林初之輔ら。政治,社会の論評を主とし,文芸方面でも田山花袋上田敏らが寄稿。大正初期まで権威ある総合雑誌として君臨し,樗牛中心の日本主義,天渓中心の自然主義,平林らのプロレタリア文学関係の評論が展開された。大正デモクラシー隆盛の時期に《改造》《中央公論》におされ廃刊。同名の雑誌に,平凡社が1963年6月に創刊した日本最初のグラフィックな総合雑誌がある。
→関連項目大橋佐平大町桂月国府犀東

太陽【たいよう】

太陽系の中心をなす恒星。極大光度−26.8等,地球からの平均距離1億4960万km,視半径15′59″.64。赤道半径69.6万km(地球の109倍),体積は地球の130.4万倍,質量は1.99×1033g(地球の33万倍),比重1.41,表面重力は地球の28倍。表面温度約6000K,全表面からの放射エネルギーは3.85×1026W。黄道面への垂線に対し7°15′傾斜した方向を軸とし,赤道で25日,緯度45°で27.6日の周期で自転。 地球から見える部分は光球だが,その上に彩層とコロナがあり,太陽黒点・白斑・羊斑・粒状斑・紅炎・フレア等の現象が見られ,可視光線のほかに紫外線X線・太陽電波・太陽風等も放出される。内部で4個の水素核から1個のヘリウム核に変わる原子核融合反応が起こってエネルギーが放出され,中心部の温度は約1500万K,圧力数千億気圧,物質密度は水の約100倍と推定される。内部の化学組成は,水素約80%,ヘリウム約20%,それ以外の約70種の元素で1%以下とされる。 恒星としての太陽は,絶対光度約5等,スペクトル型G2の平均的な主系列星で,約50億年前に生まれ,今後50億年は核融合反応で輝き続けると考えられる。 太陽はギリシア神話ではヘリオス,アポロンと同一視された。錬金術では男性原理を表し,硫黄,不揮発性物質,熱,乾を象徴,またしばしば金と等置された。占星術では活力の象徴。
→関連項目月(天体)

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普及版 字通 「太陽」の読み・字形・画数・意味

【太陽】たいよう(やう)

日。魏・曹植〔洛神の賦〕くして之れをめば、皎として太陽の霞に升(のぼ)るが(ごと)く、りて之れを察(み)れば、(しやく)として(ふきよ)(蓮)の波(りよくは)を出づるがし。

字通「太」の項目を見る

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知恵蔵 「太陽」の解説

太陽

太陽系の中心にある、地球に最も近い恒星。直径は地球(1万2756km、5.974×10の24乗kg)の約105倍、質量は約33万倍。主系列星で、表面(光球面)の温度は5800K(ケルビン)、実視等級は-26.7等、絶対等級は4.7等。年齢は約50億年で、今後約50億年輝き続ける。自転周期は25日。11年の周期で表面の活動が変化する。地球表面が受ける放射エネルギーは、1平方センチ当たり毎分約1.9calで、地球の生命活動や気象現象の源になる。太陽表面には様々な活動(太陽表面活動)が見られるが、黒点の活動に付随するものが目立つ。黒点は、周辺より温度が低い(4500K)ので黒く見える斑点。強い磁場を伴い、磁場が対流によるエネルギー供給を抑え、温度を低下させている。黒点の数は太陽活動と共に11年周期で増減し、活動期に多い。黒点が発達すると、黒点周辺で短時間に大きなエネルギーが爆発的に解放される(フレア)。フレアが起こると、プラズマや高エネルギー粒子が放出され、それらが地球に到達すると磁気嵐やオーロラ嵐を発生させる。太陽大気の最上層部は高温の希薄なプラズマ(約100万K)でコロナと呼ばれ、皆既日食の時に太陽をとりまく光芒として見える。太陽コロナが太陽の重力を振り切って流れ出し太陽風(ふう)となる。太陽風は数日で地球に達して地球磁気圏やバンアレン帯の形成、オーロラ現象などに関与する。彗星の尾(イオンテイル)は、彗星から放出されたイオンガスが太陽風に吹き流されたもの。

(土佐誠 東北大学教授 / 2007年)

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世界大百科事典 第2版 「太陽」の意味・わかりやすい解説

たいよう【太陽】

博文館発行の月刊誌。1895年1月創刊。《日本大家論集》の大成功で種々の雑誌を事業の柱の一つとしてきた博文館が,94年末に政治・経済関係の雑誌を廃刊して,日清戦争後の社会変化に対応した総合雑誌として創刊した。四六倍判,本文200ページ,写真版10ページ,定価15銭。96年から99年までは月2回刊で菊判,1900年から月刊に戻って菊倍判,01年から四六倍判に戻る。初代主筆は坪谷水哉(善四郎,1862‐1949)で,以後は高山樗牛(ちよぎゆう),鳥谷部春汀(とやべしゆんてい),浮田和民,長谷川天渓(誠也),平林初之輔ら。

たいよう【太陽 sun】

赤道半径=69万6000km視半径=15′59″.64質量=1.9891×1030kg赤道重力=273.45m/s2体積=130万4000(地球=1) 比重=1.41自転周期=25.38日 赤道傾斜角=7゜.25極大光度=-26.8等太陽系の中心に位置し,地球にもっとも近い恒星。平均的な恒星の一つであり,スペクトル型G2型の主系列星に分類される。太陽系の総質量の99.9%を占め,惑星その他の多くの太陽系天体を従えている。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「太陽」の解説

太陽
たいよう

明治~昭和期の総合雑誌。1895年(明治28)創刊,1928年(昭和3)終刊。発行所は博文館。博文館主大橋佐平が外遊し,欧米に肩を並べる大雑誌の発行を企図,長男の新太郎や坪谷善四郎が中心となって発刊された。明治・大正期を代表する総合雑誌で,内容は多岐多様,豊富な情報量をほこり,執筆陣には当時のトップレベルの学者・文学者・ジャーナリスト・政界人が顔をそろえた。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

占い用語集 「太陽」の解説

太陽

獅子座の支配星。占星術における太陽の役割は、基本的な自我を表す。ホロスコープの中心であり、西洋占星術上、最も重要視する天体。太陽が入っているサインはその個人の全体的な性格を表し、形成されるアスペクトも重要視される。一般的に世間でいわれる西洋占星術の星座はこの太陽だけの特徴を読んだものである。神話では太陽はあまり重要視されていない。

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旺文社日本史事典 三訂版 「太陽」の解説

太陽
たいよう

明治〜昭和期の総合雑誌
1895(明治28)年,博文館がそれまで出していた雑誌五つを統合し,新たな国民的雑誌として発刊。高山樗牛 (ちよぎゆう) が編集主幹であった明治30年代が全盛期で,樗牛の日本主義や田山花袋 (かたい) らの自然主義を展開した。大正期に入ると『中央公論』や『改造』におされ,1928(昭和3)年廃刊。

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デジタル大辞泉プラス 「太陽」の解説

太陽

前川知大による戯曲。2011年、自身の演出により、劇団イキウメが青山円形劇場にて初演。第56回岸田国士戯曲賞候補作。第19回読売演劇大賞にて大賞・最優秀演出家賞受賞。2016年には入江悠監督により映画化された。

太陽

スモモの品種のひとつ。来歴不明の晩生の大玉種で、山梨県甲州市塩山で発見され、1969年に命名された。果皮は黒っぽい赤紫に色づき、果汁が多く、食味良好。主な産地は同県のほか、山形県、長野県など。

太陽

日本のポピュラー音楽。歌は男性歌手、ファンキー加藤。2014年発売。作詞・作曲:ファンキー加藤、川村結花。日本テレビ系で放送のドラマ「ST 赤と白の捜査ファイル」の主題歌。

太陽

日本フットサルリーグに参加するフットサルクラブ、名古屋オーシャンズのチームマスコット。

太陽

古典落語の演目のひとつ。上方では「お日いさんの宿」と題する。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「太陽」の解説

たいよう【太陽】

兵庫の日本酒。全量兵庫県産山田錦を使用し、無添加、無ろ過で醸造する純米原酒。仕込み水は六甲山系の伏流水。蔵元の「太陽酒造」は江戸末期創業。生産石数100石あまりの小さな蔵。所在地は明石市大久保町江井島。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「太陽」の解説

太陽 (タイヨウ)

学名:Echinocereus pectinatus var.rigidissimus
植物。サボテン科の園芸植物

太陽 (タイヨウ)

植物。ボタン科のボタンの園芸品種

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典内の太陽の言及

【インティ】より

…ケチュア語で太陽の意味。インカ族(インカ文明)の宗教では,万物は創造神ビラコチャによってつくられ,太陽もまたこの神が創造したと説明される。…

【ウマ(馬)】より

… ところでこの馬に引かれた戦車に関連して,おそらくインド・ヨーロッパ語系の民族の移動とともに広まった神話が,広く旧大陸には分布している。すぐ思い出されるのはギリシア神話で,天馬があけぼのの女神エオスの車を引き,ファエトンが太陽神ヘリオスの二輪車を御し,天神ゼウスによってうたれる物語であろう。《リグ・ベーダ》でも,英雄神であるインドラは,2頭の名馬の引く戦車に乗って空を駆け,火の神,かつ太陽神であるアグニも輝く車に乗っている。…

【黄】より

…とくにインドではヒンドゥー教と仏教とにおいて尊像の身色が複雑をきわめ,黄色と決められているものだけでも枚挙にいとまがない。身色がどのようにして決定されるかは必ずしも明瞭でないが,太陽との関係がとくに重要な意味をもっている。 一般に太陽は色の輝きをもつものとされ太陽に関係のある神々(エジプトのホルス,インドのビシュヌ,ギリシアのアポロン,ペルシアのミトラ,さらにキリスト)の像は多くは金色の身色をもち,金色の衣をまとい,光輪をつけ光を放つ。…

【羲和】より

…中国古代神話の中の太陽神。《山海経(せんがいきよう)》大荒南経によれば,東南海のかなたに羲和の国があって,そこでは羲和という女性が生まれたばかりの太陽に産湯(うぶゆ)を使わせている。…

【車】より

…【古島 敏雄】
【シンボリズム】
 車,車輪ないし輪をかたどった図形は,十字マンジなどと並ぶ最も古い普遍的な象徴表現の一つと考えられ,旧石器時代の洞穴に,おそらく呪力的・宗教的な意味をもつものとして描かれているのが発見されている。これらは天体の運行を示す太陽とかかわる図形で,生命,宇宙,完全,中心,循環,永遠,光明などを表したものと思われる。太陽は,ラテン語では〈鳥輪rota altivolans〉と呼ばれ,北欧神話の〈エッダ〉では〈美輪fagravel〉,ケルト人の間では〈光輪roth fail〉と呼ばれ,いずれも円形または車輪の形で表されていたし,円盤はギリシアの太陽神ヘリオスや,インドの太陽神ビシュヌの持物であった。…

【光球】より

…太陽や恒星の表面近くの層をいい,光球層ともいう。もう少し厳密な定義は,太陽や恒星の大部分の光を発している層ということができる。…

【日食】より

…太陽が月によって隠される現象。このときは,太陽,月,地球が一直線上に並び,太陽による月の影が地上にできる。…

【火】より

…インドシナ,インドネシアの農耕民が実用化していた。(4)光学法 凸レンズ,凹面鏡によって集光した太陽光線の熱で火を得るもの。古代ギリシア,ローマ,古代中国ですでにこの方法が知られていた。…

【浮田和民】より

…その後1941年まで同校で教鞭をとるかたわら言論界で活躍。ことに明治・大正期の代表的な総合雑誌《太陽》の主幹(1907‐17)として,〈内に立憲主義,外に帝国主義(経済的帝国主義)〉の統一的な促進を力説したばかりか,吉野作造や大山郁夫らの民本主義者にも強い影響を与え,民本主義の理論的先駆者となった。《倫理的帝国主義》をはじめ多数の著書がある。…

【大橋佐平】より

…93年欧米視察に出発,ロイター通信社を訪問,通信の取次を約束して帰国,94年に内外通信社を設立した。95年に13種あった雑誌を廃刊,新たに《太陽》《少年世界》《文芸俱楽部》を創刊,糾合合併して発展にそなえた。97年に洋紙店博進堂,博進社印刷所(後の博文館印刷所),次いで1901年に創業15周年を記念して〈大橋図書館〉を設立したが,開館を目前にして死去した。…

【博文館】より

…ついで各種の雑誌を創刊し,雑誌出版を事業の柱の一つとした。なかでも高山樗牛を主幹とする総合雑誌《太陽》(1895創刊),巌谷小波編集の《少年世界》(1898創刊),硯友社と結んだ《文芸俱楽部》(1895創刊),田山花袋編集の《文章世界》(1906創刊)などが著名である。一方,全書・双書類を中心とする書籍出版にも進出,《実地応用・技芸百科全書》全61巻(1889‐93)をはじめとして,《日本文学全書》全24冊(1890‐91),《帝国文庫》正続100巻(1893‐1902)などを連続的に出版したが,とくに博文館の声価を高めたのは《帝国百科全書》全200巻(1898‐1909)で,10年の歳月をかけた大出版であった。…

※「太陽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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