巡視組(読み)じゅんしぐみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「巡視組」の意味・わかりやすい解説

巡視組
じゅんしぐみ

中国共産党中央から派遣され、政府内の各省庁や国有企業、地方政府を不定期に巡視するチーム。党と政府幹部党紀、法律に違反していないかどうかをチェックすることが目的である。党中央規律検査委員会と中央委員会組織部が中心となり2003年に設立された。習近平(しゅうきんぺい)政権が反腐敗運動を開始した2013年以降、活動を本格化させており、頻繁にメディアに取り上げられるようになった。

 2013年までは10チームで活動していたが、2014年から13チームとなった。調査先に事前に知らせずに派遣されることもある。党幹部の不適切なふるまいに関する手紙、電報、訴えなどを受理し、とくに幹部の選抜任用に関する訴えについて調査し、対応することが主要な任務である。問題があると判断した場合は、党の規律部門に通告し調査を依頼する。巡視組が汚職事件などの捜査を直接担当することはない。

 それぞれの巡視組のトップである組長は、定年退職した70歳未満の元閣僚級幹部が担当する。

[矢板明夫 2015年9月15日]

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