国家が出資している企業、または政府の管轄下にある企業。ただしここでは中国における国有企業について記述する。
中国には大別すると国有企業と非国有企業が併存し、非国有企業は外資企業と国内資本(内資)企業に分けられ、内資企業の有力な柱が改革開放後急速に成長してきた民営企業である。
[中兼和津次 2018年4月18日]
国有企業は中央国有と地方国有に分かれ、地方国有企業は行政階層に応じて省(直轄市、自治区を含む)級の企業、市級、県級の企業に分かれる。また中央国有企業は国家がすべての資本をもつ独資企業、支配株をもつ「支配株」企業、一部の株式をもつ「参加株」企業に分かれ、また管轄主体に応じて国有資産監督管理委員会(国資委)所属企業が2011年時点で113社あり、財政部(日本の財務省に相当)が管轄する中央金融企業である銀行、資産管理会社、保険会社などが23社、また地方国資委が管轄する地方国有企業は867社ある。国有企業は全国に計12万社以上あるといわれ、そのうち小型企業は10万社で85%、中型が1万4000社で11%を占め、大部分が中・小型企業である(いいかえれば大型は4%だけ)。赤字企業の割合は35%に及び、その大部分は中・小型企業であるという。
[中兼和津次 2018年4月18日]
国有企業は改革開放後、しだいに生産額や営業収入、資本(資産)額や利潤額、あるいは従業員数に占める割合を低下させてきた。たとえば一定規模以上の工業企業の資産額と利潤額に国有企業が占める割合は、2004年から2014年にかけてそれぞれ18.3%から8.0%へ、8.3%から4.0%へほぼ半減している。ちなみに民営企業の割合はそれぞれ15.0%から22.3%へ、18.5%から34.6%へと大きく伸びている。
しかし、世界的視野でみると、中国国有企業の存在はますます大きくなってきている。たとえば、『フォーチュン』誌が毎年発表する世界の企業のランキング「グローバル500社」にあげられる企業をみると、中国企業は2011年に61社であったが、2016年には110社が入り、その増加ぶりは際だっている(日本は68社から52社に減少)。上位100社だけをみても中国企業は15社もあり、そのすべてが国有企業である。このことは中国の国有企業の規模がいかに大きいかを如実に示している(後掲の「資料 中国のおもな国有企業」参照)。
[中兼和津次 2018年4月18日]
中国における国有企業は、かつての日本の国鉄や電電公社のように、単に国家が資本を所有し、経営・管理する企業体ではない。日本の国有企業には政治的、イデオロギー的意味がまったく、あるいはほとんどなかったのに対して、中国の国有企業は国家権力の象徴であり、社会主義イデオロギーの体現者でもある。
中国ではどの企業も(純粋の外資企業は別にして)営利を目的とする経済組織として存在するばかりではなく、中国共産党が指導する政治組織でもある。共産党規約と憲法にもうたわれているとおり、中国は「公有制を主体とする」社会主義国家であるから、公有制が私有制よりも上位にある制度として位置づけられている。これは、いうまでもなく私有制を主体とする資本主義を否定したマルクス主義的社会主義観による。公有制のなかでも国有制が集団所有制よりも「格の高い」所有形態とみなされる。したがって、たとえ経済全体に占める国有企業の比重が低下したとしても、国有企業の格やその背景にある政治的、イデオロギー的意味は変わらない。
さらに、社会主義になれば市場が消滅していくというマルクスやエンゲルスたちの想定とは反対に、社会主義のなかに市場経済を大々的に持ち込んだ中国は、国有企業を市場と共存させる政策をとることになった。市場には国有企業による独占・寡占市場もあるが、競争的市場には民営企業をはじめとしてさまざまな企業が参入してくるため、「混合市場」体制という特殊な体制が生まれる。そのなかで国有企業が民営企業などに対して優位な地位を占めることができるのも、煎(せん)じ詰めれば社会主義という政治的、イデオロギー的体制のためである。
中国のとくに超大型の中央国有企業は経済的にも重要な地位を占めているため、そのリーダーたちは政治的背景と役割をもって任命される。さらにそうしたリーダーたちは政治的に大きな影響をもつことができる。たとえば、不正蓄財をしたとして2013年に逮捕され、失脚した周永康(しゅうえいこう)(1942― )の経歴をみると、石油工業部副部長(次官)から代表的国有企業である中国石油天然気集団(CNPC)の副総経理(副社長)、総経理(社長)を経て、国土資源部長(大臣)に、その後四川(しせん)省の党書記に昇進したのち、中央政治局員、さらには政治局常務委員にまで上り詰めた。つまり、政府の役人から国有大企業の指導幹部へ、次に党の最高幹部へと出世していった。こうしたケースは日本や多くの先進国では考えられないもので、そこに中国国有企業のもつ特殊な政治的性格が見て取れる。
[中兼和津次 2018年4月18日]
中国において国有企業がこのように重視されてきたことの経済的背景には、毛沢東(もうたくとう)時代における工業化戦略がある。当時、計画経済の先輩でもあったソ連の影響もあって、重工業優先発展の工業化は「歴史法則」とまでいわれていた。この工業化戦略は計画経済体制のもとで国家が推進するものであり、当然その主要部分を国有企業が担うものと理解されていた。さらに、国家は重工業など重要産業(ほかに貿易や金融部門)を支配することで、経済全体をコントロールできるという「管制高地」思想が、計画経済から市場経済への転換を図る今日にも思想的遺産として生きている。もちろん、それに加えて重要産業は外国資本に支配されたくないという、国内産業保護論も影響している。なぜなら民営企業は外資に買収されかねないからである。
そのことを如実に表したのが、2006年に打ち出された「産業のガイドライン」である。そこでは政府は国有企業が関与すべき産業を、(1)国有企業が独占すべき分野、(2)国有企業が絶対的に支配的地位を占めるべき分野、(3)同じく、相対的に支配的地位を占めるべき分野、の三つに分け、戦略的に重要な産業に対して非国有企業の参入を規制することになった。
[中兼和津次 2018年4月18日]
そもそも中国において国有企業はなぜ存在し、また必要とされてきたのかについては、イデオロギー的、政治的理由のほかに、「すでにあるから」、ないしは「大きすぎて潰(つぶ)せないから」といった消極的理由に加え、次のような積極的存在理由が指摘されてきた。
(1)「市場の失敗」論 一般化していえば、市場の失敗を政府(国家)が補う必要がある、という議論に通じる。市場の失敗とは、市場や価格メカニズムを通じては社会的に望ましくない資源配分がなされることをさし、それはおもに外部性、公共財、自然独占、情報の非対称性によって生ずる。そうした産業や分野においては市場や民間が適切に資源配分できないのだから、政府にかわって国有企業・事業が責任を負う、とみなされる。これに近いのが公益性論で、非国有企業は私的利益だけを目的にするが、国有企業は公共の福祉のために行動すると考えられている。たとえば、地域の雇用を確保するために政府が国有企業を維持したり、国家機密保持のために国防産業を国有にしたりするのも、この議論に関係している。
(2)規模の経済論 規模の経済が求められる産業や分野では企業規模はますます大きくなり、また市場の失敗が起こりうる。それゆえ、少数の大型国有企業が多数の、また規模の小さな民間企業にかわってその産業や分野を支配するのは当然であると考える。それは企業活動のグローバル化が求められ、国際競争力をつけるには企業は大規模でなければならず、そうした大規模企業はすなわち国有企業である、という議論にも結び付いている。
(3)キャッチアップ工業化=国家主導の(重)工業化論 貧しい途上国であった中国が先進国に早く追いつこうとすると、国家が主導する工業化戦略が必要であり、そのためには民間企業ではなく国家の政策をより直接に実施できる国有企業が必要であるとされる。とりわけ、インフラや鉄鋼、化学など、重工業は国家が直接投資したいという強い意欲を途上国の指導者たちは抱いている。したがって、キャッチアップ段階においては国有企業が不可欠という主張にもなる。
(4)国有企業(高)収益説 以上の理由とは性格を異にし、国有企業が赤字であるならともかく、黒字を計上しているならばあえて民営化する必要はないとする考え方である。中国の場合、1990年代における国有企業の全体的な不振と、それに対処するために朱鎔基(しゅようき)政権がとった改革政策の効果もあり、2002年以降国有企業は復活を遂げた。全体としてみると、国有企業は黒字企業であって、むしろのちに述べる「国進民退」(国有企業が民営企業を抑える)現象さえ指摘されている。
以上四つの国有企業の必要性の根拠・存在理由は、はたして正しいのか、諸外国の例をみてもどうも疑わしい。すなわち、
(1)市場が失敗する領域は技術革新によって大きく狭まってきた。たとえば、電力や通信といった事業はかつて国家が独占的に営んできたが、いまや多くの民間企業が参入できるようになり、宇宙開発でさえその例外ではない。防衛産業においても、欧米や日本では民営企業が担っており、機密保護の制約を国が企業に課す必要があるだけで、国有企業である必要はない。
(2)規模の経済をもって国有企業の必要性を説明することはできない。それは、単にいまある大規模国有企業を擁護するための口実でしかない。同じく、グローバル化してもそれに耐えうる、あるいはそれを利用する民営企業は数多く存在しており、国営企業ではなく民営企業を大きく育てていけば十分である。
(3)おそらくもっとも説得力をもつ理由は、キャッチアップ段階には国有企業が必要であるという発展段階論であろう。事実、韓国や台湾ではキャッチアップ段階にあたる開発独裁時期には数多くの国有企業を抱えていた。しかし明治期以降の日本の例を引くまでもなく、国有企業でなければ途上国の急速な工業化という政策課題を達成できないわけではない。
(4)最後の、とくに国有企業(高)収益説については、次の点に注意しておくべきであろう。まず大型国有企業は独占的、寡占的市場を形成している場合が多く、独占・寡占利潤をあげていること、次に非国有企業ならば得られない政府による優遇措置を受けている場合があること(たとえば、商業銀行のほとんどを占める国有銀行による融資は国有企業に有利になっている)、さらに、以下で述べるように中国の国有企業は非国有企業よりも経営・生産効率が低いため、たとえ収益を上げていても、非国有企業なら得られたはずの収益を捨てていることになることである。
[中兼和津次 2018年4月18日]
かつては中国の企業のほとんどが全人民所有制といわれた「国有」であり、計画経済体制の下で企業には自主的経営権さえなかったが、1979年の改革開放後その様相は大きく変わった。国有企業も段階を経て変化してきたが、大きな流れとしては企業と行政の分離、さらには経営に対する党の介入の縮小といった経営自主権の拡大から、所有制改革の方向に進んできた。
(1)企業自主権の拡大(1979~1984年)
1979年から四川省において地方国有企業の自主権を拡大する動きが始まり、全国的に展開された。また従来、利潤と税とが区別されず、国有企業は収益の大部分を国庫に上納していたが、利潤と税とを分け、納税はするが利潤の一部あるいは多くを企業が分配したり、投資したりできるようにした。
(2)所有権と経営権の分離(1985~1992年)
大・中型国有企業に対しては請負制を、小型国有企業に対してはリース経営責任制を、条件を満たした少数の大・中型国有企業に対しては試験的に株式制を実施するようになった。
(3)近代的企業制度の確立と戦略的改組(1992~2002年)
この時期になると「社会主義市場経済」が原則になり、「公司(会社)法」が制定されて、国有企業も「法人」となり、株式化も進んだ。また上海と深圳(しんせん)の株式市場が発達するにしたがって、国有企業が上場されるようになった。しかし、中・小型企業を中心に国有企業の経営が悪化し、1995年の第14期中央委員会第3回全体会議(三中全会)で「抓大放小(そうだいほうしょう)(大をつかみ、小を放つ)」、つまり大企業は国有化のままにするが、小型企業は民営化するなど自由にさせる政策が、また1999年の第15期四中全会では「国有企業の戦略的調整」政策が打ち出され、戦略的重要産業は国有、競争的産業は自由化するという所有制改革に向けて動き始めた。
(4)国有資産監督管理委員会体制のもとでの国有企業改革(2003年~ )
国有企業の「所有者」は名目上国家であるものの、具体的にはだれが代表するか不明確であった。そこで、国資委という組織をつくり、具体的にはこの委員会が企業の所有者であるという体制となり、その下で国有企業制度改革が図られることになった。しかし、好景気に支えられて国有企業の経営が改善したこともあって、抜本的改革が行われたとはいえず、2013年の第18期三中全会における「改革深化の決定」で混合所有制を発展させることが提起された(「混合所有制」については後述する)。また2015年に「国有企業改革を深化させるための指導意見書」が採択されたが、大企業民営化の道筋は明らかにされず、むしろ国有企業に対して国家の管理を強化する方向が示された。
[中兼和津次 2018年4月18日]
上述したように、2002年以降国有企業の経営が改善されると、国有企業が民営企業を買収したり、あるいは国家が民営企業を破産させたり、排除したりするような現象が起きた。それを「国有企業が進出し、民間企業が後退する」という意味で「国進民退」とよび、国内で「改革を逆戻りさせるのではないか」として大きな関心をよんだ。個々のケースをみてみると、かならずしも国家が国有企業のために民営企業に圧力をかけたわけではないケース(事故が多発していた山西(さんせい)省の小型民営炭鉱を閉鎖させた例など)もあるが、赤字国有企業が黒字民営企業を吸収(山東(さんとう)省の鉄鋼企業の例など)するような、明らかに不合理なケースもみられた。
しかし先にみたように、生産額や従業員数など、国有企業が非国有企業を押しのけて拡大してきたわけではなく、趨勢(すうせい)としてみれば国有企業は市場から「退きつつある」。とはいえ、重要産業において国家と国有企業が支配的地位を保っていることも事実であり、国有企業の比重は先にあげたような単なるマクロ的数値だけでは測れないのである。
こうした国有企業の経済的支配力を支える大きな背景になっているのが金融部門における国家の存在である。中国では政策銀行はいうまでもなく、おもな商業銀行は依然として国有である。これらの銀行がすべての産業において国有企業の後ろ盾になっていることは知られている。
[中兼和津次 2018年4月18日]
習近平(しゅうきんぺい)政権になってから民営化よりも混合所有化に力点が置かれるようになった。混合所有制には二つの意味がある。一つは、国有企業の資本構成を多様化し、民間・外部資本を入れるようにすることであり、これが主目的であるが、もう一つは逆に一部の領域の民営企業に国家資本が参入することである。これにより両種の資本の「いいとこ取り(ウィン・ウィン)」ができるものと期待されている。すなわち、国有企業には民間の経営管理が導入され、とくに独占企業については経営活力が生まれるだろうし、民営企業を国家がコントロールすることも容易になるであろう。しかし、混合所有がはたして所期の効果を発揮できるのか、あるいは純国有企業に比べて経営効率はどうなのか、まだ十分実証されていない。
[中兼和津次 2018年4月18日]
国有企業が多くの問題を抱えているからこそ、今日まで繰り返し改革の必要性が訴えられてきた。まず第一に経営の非効率性という問題がある。データが取りやすく、比較しやすい工業部門を例にとると、利潤/総資産で測った経営効率は、国有企業が一貫して非国有企業を下回っていた。たとえば1998年には平均1.34%に対して国有企業は0.70%、2008年には平均7.09%に対して国有企業は3.44%、2014年には平均7.12%に対して国有企業は4.04%に過ぎなかった。この傾向はほとんどの業種においてもみられる。一般に、民営企業、外資企業、国有企業の順に経営効率は高いが、国有企業がもっとも高い経営効率をあげているのはたばこ製造や家具製造など、ごく一部の業種に限られる。
第二に、国有企業幹部の高収入と職員労働者の高賃金という問題がある。一部の国有企業の高級幹部が法外な年収を得ていることは批判の的になってきた。彼らは国家幹部(公務員)であるにもかかわらず、多くの民営企業経営者よりもはるかに高い収入を得ている。幹部ばかりではなく、一般の職員労働者でさえ平均すれば民営企業の従業員よりも高い賃金を得ている。
第三に、中国で深刻な問題になっている不正会計や腐敗が国有企業と絡んでいることである。国有企業をめぐる腐敗としては、国有資産の流失という形と、権力と資源の独占企業であることから生ずる収賄という形がおもなものである。とくに重大なのは後者であろう。周永康とその一族が莫大(ばくだい)な資産を蓄積できたのも、彼が石油産業を支配したことにより巨大な利権を手にすることができたからである。党が国家を支配し、国家が企業を自由に動かすことができ、しかもその企業が独占的、寡占的利潤を享受できるなら、経営にあたる党幹部がその企業を元手に蓄財するのは容易である。しかも民主主義国とは異なり、一党独裁体制の中国ではメディアを党が完全にコントロールしているため、そうした腐敗が隠蔽(いんぺい)され、また蔓延(まんえん)しやすい。審計署(会計検査院)の大手国有企業20社に対する調査(2017年公表)では、18社で不正会計がみつかったという。
[中兼和津次 2018年4月18日]
国有企業を維持し、また強化しつつ、かつ市場経済化を進めようとする中国であるが、そもそも国有制は市場経済にそぐわない。一つには、市場ではすべての企業は平等であるべきなのに、民営企業に比べて有利な条件が国有企業に与えられがちだからである。たとえば国有銀行は融資にあたって民営企業よりも国有企業を優遇する。次に、企業業績が好調な高成長期には問題とはならないが、いったん経済が減速し、経営が悪化しても簡単に人員整理や大胆な経営転換ができず、国有企業は赤字に転落し、また赤字転落した後自力で再生することはむずかしいという傾向がある。さらに、国有企業には経営に対して政治的介入を受けやすいという難点がある。
こうしたことから、中国でも改革派経済学者は少なくとも競争的市場からは国有企業を退出させ、民営化させるように唱えているが、実際国有企業の民営化はむずかしい。それというのも、国有企業をめぐって党、国家、企業の三位(さんみ)一体(既得権)構造ができあがっているからである。
国有企業が存在する最大の理由は、実はこの三位一体構造による「既得権」の保護と維持という政治的理由にありそうである。ここでいう既得権には従業員の安定した被雇用権ばかりではなく、彼らの比較的高額な給与、高級幹部の昇進機会、さらには非国有企業との取引に伴う不正収入なども含まれる。共産党と政府にとって国有企業は権力と利益を確保する重要な基盤である。このような構造がある限り、抜本的な国有企業改革である完全な民営化はむずかしいし、そうした改革を行うには政治改革と法治の原則が必要になる。その意味で、国有企業改革は中国における体制改革全体のなかの核心部分だといえよう。
[中兼和津次 2018年4月18日]
『フォーチュン』誌のグローバル500社(2016)のうち、中国の国有企業上位15社を取り上げた。すべての企業が中央企業である。なお、設立年は各社資料による。
1国家電網公司
〔順位〕2位
〔営業収入〕3296億ドル
〔業種〕送電
〔所在地〕北京
〔設立〕2002年
2中国石油天然気股份有限公司(ペトロチャイナ)
〔順位〕3位
〔営業収入〕2993億ドル
〔業種〕エネルギー
〔所在地〕北京
〔設立〕1988年
*国有企業である中国石油天然気集団が株式の大半を所有。
3中国石油化工股份有限公司(シノペック)
〔順位〕4位
〔営業収入〕2943億ドル
〔業種〕エネルギー
〔所在地〕北京
〔設立〕1998年
4中国工商銀行股份有限公司(ICBC)
〔順位〕15位
〔営業収入〕1672億ドル
〔業種〕金融
〔所在地〕北京
〔設立〕1984年
5中国建設銀行
〔順位〕22位
〔営業収入〕1479億ドル
〔業種〕金融
〔所在地〕北京
〔設立〕1954年
6中国建築股份有限公司
〔順位〕27位
〔営業収入〕1402億ドル
〔業種〕建設
〔所在地〕北京
〔設立〕2007年
7中国銀行股份有限公司(BOC)
〔順位〕35位
〔営業収入〕1223億ドル
〔業種〕金融
〔所在地〕北京
〔設立〕1912年
8中国平安保険(集団)股份有限公司
〔順位〕41位
〔営業収入〕1103億ドル
〔業種〕保険
〔所在地〕深圳
〔設立〕1988年
9中国移動通信集団公司(チャイナモバイル)
〔順位〕45位
〔営業収入〕1068億ドル
〔業種〕通信
〔所在地〕北京
〔設立〕2000年
10上海汽車集団股份有限公司
〔順位〕46位
〔営業収入〕1067億ドル
〔業種〕自動車
〔所在地〕上海
〔設立〕1958年
11中国人寿保険(集団)公司
〔順位〕54位
〔営業収入〕1013億ドル
〔業種〕保険
〔所在地〕北京
〔設立〕2003年
12中国中鉄股份有限公司
〔順位〕57位
〔営業収入〕994億ドル
〔業種〕建設
〔所在地〕北京
〔設立〕2007年
13中国鉄道建築総公司(CRCC)
〔順位〕62位
〔営業収入〕957億ドル
〔業種〕建設
〔所在地〕北京
〔設立〕1948年
14東風汽車公司
〔順位〕81位
〔営業収入〕828億ドル
〔業種〕自動車
〔所在地〕武漢
〔設立〕1969年
15華潤集団有限公司
〔順位〕91位
〔営業収入〕766億ドル
〔業種〕総合
〔所在地〕香港
〔設立〕1983年
国家が出資している企業、または政府の管轄下にある企業。英語の頭文字をとってSOEと略称されることもある。政府所有会社government-owned corporation、国営企業、国営事業などの用語は国有企業とほぼ同義語として使われるが、国が資本の一部を出資している企業を国有企業とよぶのに対し、国が全額出資している企業を国営企業として区別することもある。産業保護、エネルギー・食糧安全保障、財政上、国防上の見地から、鉄道、航空、通信、電力、石油、放送、タバコ、アルコール類、金融、郵便などに関する事業が国有化される例が多い。
西側先進国では1970年代後半のイギリスのサッチャリズムや、1980年代のアメリカのレーガノミクスで「小さな政府」を志向する経済政策が相次いで進められ、国有・国営企業の民営化が進んだ。日本でも中曽根康弘(なかそねやすひろ)政権の「民活」路線で、日本国有鉄道、日本専売公社、日本電信電話公社などの民営化が進み、その後も特殊法人改革や郵政民営化などで民営化や株式会社化が進んだ。ただし、民営化しても政府が株式を保有する場合は、広義の国有企業にあたり、法令上、政府が経営権を握っている場合が多い。
中国では、中央政府だけでなく、地方政府が設立した企業も国有企業としている。1998年に当時の首相朱鎔基(しゅようき)が国有企業改革を最優先課題に掲げて以来、人員過剰や設備老朽化のため赤字続きでも破綻(はたん)しない国有企業の再編・淘汰(とうた)が経済的に大きな課題となっている。また国有企業が中小企業や不動産会社に高金利で融資する「委託貸付け」行為が、銀行を経由しない中国のシャドーバンキング(影の銀行)を生む要因の一つとして問題視されている。
[編集部]
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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