差し札（読み）さしふだ

精選版 日本国語大辞典

さし‐ふだ【差札・指札】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 香道の組香(くみこう)の時に、香を聞いた人が答えを提出する香札の特殊なもの。象牙、唐木などの大型の札で、表に仮名の紋を、裏の周縁に時計のように一・二・三・四・五などと記したもの。答えの位置に回転式の指針を合わせるか、その外縁に小串を指す。特定の組香専用のものも多い。〔御家流改正香道秘集〕
3. ② 所有者、あて先などを書いた札。
   1. [初出の実例]「常盤御前の指札にて、一合の長櫃に、柏の局相添て罷通られ候節」(出典：浄瑠璃・熊野権現烏牛王（1719）二)
4. ③ 指名手配などの、人名、人相、特徴などを書きしるした札。手配書。
   1. [初出の実例]「やれ留い、さし札を見た渡し守」(出典：雑俳・青木賊（1784）)

出典　精選版 日本国語大辞典