市場支配力(読み)しじょうしはいりょく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「市場支配力」の意味・わかりやすい解説

市場支配力
しじょうしはいりょく

市場支配力を形成,維持する行為としては,私的独占,不当な取引制限 (3条) ,事業者団体による競争制限的行為 (8条1項1号) ,会社の株式保有 (10条1項) ,役員兼任 (13条) ,会社以外の者の株式保有 (14条) ,会社合併 (15条) ,営業譲受け (16条) などがあり,独占禁止法はかかる行為を,一定の取引分野における競争の実質的制限に連なる行為として禁止している。市場支配力の形成,維持が競争の実質的制限に連なる行為であるという考え方は,東宝株式会社に対する件における東京高等裁判所判決 (1951.9.19.) においても示されている。

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世界大百科事典(旧版)内の市場支配力の言及

【独占】より

…19世紀末以後の独占は,政治権力によって与えられたものではなく,資本主義の自生的な発展のなかから経済力そのものとして生み出されたものであり,その力によって逆に政治権力を左右するようにもなったのである。
[独占の市場支配力]
 自由競争が行われていると,市場で取引される商品の価格や量を個々の売手・買手が意図的に操作することはできない。しかし独占の場合には,そのような操作がある程度可能になる。…

※「市場支配力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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