市荒川村(読み)いちあらかわむら

日本歴史地名大系 「市荒川村」の解説

市荒川村
いちあらかわむら

[現在地名]上志比村市荒川

九頭竜くずりゆう川中流域の左岸に位置し、西は竹原たけはら村、南は勝山街道が通り、対岸は大野郡坂東島ばんどうじま(現勝山市)。枝村として上市かみいちがあった(越前国名蹟考)。慶長三年(一五九八)七月一三日付の越前国吉田郡志比庄之内竹原村御検地帳(「上志比村史」所収)に「市村出作」とみえる市村は当村をさす。東に鳥越とりごえ峠を越えると大野郡保田ほた(現勝山市)に至り、これよりさらに東進すれば勝山城下白山平泉はくさんへいせん(跡地は勝山市)方面へ、南行すれば大野城下(現大野市)方面に達する。また南に吉峰よしみね川をさかのぼって芦見あしみ峠を越えると大野郡皿谷さらだに(現足羽郡美山町)に至り、これより南東進すれば大野方面へ、西進すれば足羽郡高田たかだ(現美山町)を経て羽生はにう道に接続し、市村は交通の要地に立地して市場的性格をもった村として発生したと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android