布衫(読み)ふさん

精選版 日本国語大辞典 「布衫」の意味・読み・例文・類語

ふ‐さん【布衫】

  1. 〘 名詞 〙 麻など、植物性繊維単衣
    1. [初出の実例]「凡官戸奴婢三歳以上。毎年給衣服。春。布衫。袴。衫」(出典令義解(718)雑)
    2. [その他の文献]〔白居易‐王夫子詩〕

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普及版 字通 「布衫」の読み・字形・画数・意味

【布衫】ふさん

布の単衣。宋・楊万里〔渓に側(そ)ひて纜を解く〕詩 の雲氣、君むことを休(や)めよ 且(しばら)く嚴(げんたん)に向つて布衫を(あら)はん

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世界大百科事典(旧版)内の布衫の言及

【肩衣】より

…肩までの短衣,つまり袖なしの衣服で,古くから庶民の間で着られたものらしく,《万葉集》巻五の山上憶良の〈貧窮問答の歌〉の中に〈綿毛奈伎布可多衣(わたもなきぬのかたぎぬ)〉とあるのも,麻などのそまつな単(ひとえ)の肩衣であったにちがいない。正倉院に伝えられている袖なしの布衫(ふさん)(麻製の肌着)や平安時代以後の庶民の着た〈手無〉なども,これと同類のものであろう。しかし近世以後における肩衣は,このような衣服の下に着る袖なしの下着や袖のない衣服そのものではなくて,むしろ古い時代の〈(ちはや)〉〈小忌衣(おみごろも)〉,あるいは門徒宗徒や巡礼が用いる白布の袖なしのように,主要衣服である小袖の上に補助衣的ないしは浄衣(じようえ)的な意味をもって着用されたもののようである。…

※「布衫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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